「なんだか最近、疲れやすくなった……」「朝起きるのもつらいし、起きても憂鬱な気分が続く……」「最近は、好きだった趣味を行う気力が湧かない……」
40代になると、仕事の疲労や年齢のせいで身体の不調や精神的な不安を感じてきます。そのような疲れが続くと中折れしたり、朝立ちが減ったり、持続力がなくなるなど勃起力が低下します。僕も足が疲れやすくなり、ため息が出て、思うように勃たせることができなくなっていました。
このような疲労感の原因は、男性ホルモンの減少によって起こっている可能性があります。EDを改善するには男性ホルモンを高めることが必要です。
最近、疲れやすくて、ため息がよく出るんです。これって、もしかして「うつ」なんでしょうか……。
うつ症状と似ているが、男性ホルモンが減っている可能性がある。その疲労感は脳や神経から発している。これを見てくれ。
Contents
疲労とは「身体」ではなく「神経」の疲れ
疲労感とEDの関係を知るために、まずは疲労について見ていきましょう。
疲労とは、「運動することで乳酸が筋肉中に増えてしまうこと」という見方が一般的でした。しかし、脳科学の分野では「脳疲労」という言葉が使われはじめています。
疲労の原因は、脳の神経にダメージが蓄積するためであることが国内の研究でわかってきています。この神経とは自律神経のことです。
自律神経には2種類ある
自律神経には、活動的な「交感神経」とリラックスする「副交感神経」があります。身体を運動すると交感神経が働きます。すると、神経細胞内に活性酸素が大量に発生して細胞にダメージが与えられます。これが疲労の原因だと言われています。
疲れるのは身体よりも「脳」
例えば、ゴルフコースを回ったとき、暑い日と涼しい日では暑い日の方が疲れます。これは、暑いと交感神経が活発に働いて酷使されるからです。また、長時間のデスクワークも疲れの原因です。このとき疲れるのは身体ではなく、実は眼の眼精疲労ひいては交感神経の酷使による脳の疲れであるとされています。
このように、疲労感とは身体的なものではなく、脳や神経の疲れによる「脳疲労」であることが分かってきています。脳疲労の特徴は「意欲が出ない」「注意力が散漫になる」「寝つきが悪くなる」などです。うつ病ではないけれど、その前段階として似ている状態です。
この症状は男性ホルモンの減少による男性更年期障害(LOH症候群)と酷似していることから、脳疲労は自律神経やホルモンバランスに影響を与えていることが推定されます。40代の男性が感じている原因不明の疲労感は、男性ホルモンの減少である可能性があります。
男性ホルモンとは?
男性ホルモンは、さまざまな働きをしています。簡単に言うと、分泌量が高ければ、やる気に満ち溢れます。決断力と行動力があり、何事もパワフルに活動するオスとしての魅力にあふれます。
反対に分泌量が減ると「勃起しない」「脂肪がつきやすくなる」「常に疲労感がある」「朝立ちがなくなる」という身体の変調や、「なんとなく気分が落ち込む」「やる気が出ない」「意味もなく不安になる」など心の変調が出ます。
男性ホルモンの働き
- 男性らしい逞しい身体を作る
- タンパク質を筋肉に変える
- 内臓脂肪がつくのを抑える
- 体毛発育を促進する
- 生殖器官を発達させる
- 性欲を高める
- 異性を引き付けるフェロモンを発生する
- 闘争的、攻撃的な性格を作る
- 動脈硬化の予防
- 血液を作る
- メタボリックシンドロームの予防
- やる気、判断力、決断力など男性的思考の結成
(参照:『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』堀江 重郎)
男性ホルモンは年々減っていく
(引用:日本泌尿器科学会雑誌Vol. 95 (2004) No. 6 P 751-760より)
男性ホルモンは年齢とともに減っていきます。日本泌尿器科学会が調査したデータによると、20代前半のピークから10年ごとに平均9.2%ずつ低下していきます。
また男性ホルモンは、運動不足によっても減りますし、仕事や家庭のストレスによっても減ることが分かっています。
▶さらに詳しく:EDの原因は男性ホルモンの低下!テストステロンを増やして中折れ対策!
なぜ疲労するとEDになるのか?
それでは、なぜ疲労するとEDになるのでしょうか? ここまで見てきたように、強い疲労感は自律神経のバランスを崩します。そのことで、「交感神経が優位になる」ことと「男性ホルモンが減少する」ことが挙げられます。
交感神経が優位になる
勃起は交感神経が働くことで消えてしまいます。例えば、AVを見て興奮して勃起していたとき、母親がいきなりドアを開けて部屋に入ってきたら、ビックリして勃起が消えてしまいます。このように、いったん勃起しても永遠に立った状態にならないのは、交感神経が働いて緊張した状態になるからです。
勃起はリラックスした状態、つまり副交感神経が優位の時に起こる現象です。したがって、副交感神経が働かずに交感神経ばかりが活性化しているとEDになります。(ちなみに、射精するときは交感神経が優位になります)
男性ホルモンの減少
男性更年期障害(LOH症候群)という疾患があります。これはLate-Onset Hypogonadismの略で「ロー症候群」または「エル・オー・エイチ症候群」と呼ばれています。直訳すると「人生の後半に発生する性腺機能低下症」という意味です。
男性ホルモンが低下すると、さまざまな症状が起こります。例えば、筋力の低下、記憶力の低下、肥満、高血圧、うつ症状、そして性欲の低下とED(勃起不全)などです。
男性ホルモンは少しづつ低下していくので、男性更年期障害の発見は気付きにくいと言われます。実際に僕も、「いつの間にか、勃起力が弱っていることに気付いた」という感じです。
疲れた時の対処法
それでは、EDを改善するために疲れたときの対処法を見ていきましょう。
疲れた時の対処法その1:ぐっすり睡眠する
睡眠は、ただ頭と体を休めているだけではありません。体の組織の点検と補修を行い、免疫力の主役であるリンパ球をつくるなど、生命を維持するための様々な活動が行われています。特にEDと関係が深いのは男性ホルモンが睡眠中に増量されているという点です。
男性ホルモンの生成は時間が決まっています。特に大事な時間は夜中の1時から3時で、この時間にしっかり寝ていることが大事です。また、睡眠時間の合計ですが6時間から7時間ぐらいが至適といわれています。例えば、1週間も睡眠不足が続くと男性ホルモンが10~15%減少します。(『男性機能を高める本 』鶴見 隆史)
また、コルチゾールの原料は男性ホルモンと同じコレステロールのため、十分に寝れないとコルチゾールが分泌されて男性ホルモンが減少します。眠りの質を良くするために、寝る前のPCやスマホを見るのは控えましょう。枕や寝具を良いものに変更することも有効です。
疲れた時の対処法その2:運動する
「疲れを取るのに運動が効果的である」と言われたら、「疲れた時に運動なんてできない」と思われかもしれません。しかし、あなたの疲労感が身体的なものでなく脳疲労であるならば、運動することでかえって疲労感が取れる可能性は十分にあります。
ランニングをしたり、重いものを持ち上げるといったトレーニングをしたり、身体を動かすことを行うと気分が高揚します。陶然とした気分になったり、爽快になるなどストレスが解消されます。これは、身体を動かす過程で脳内からベータエンドルフィンと呼ばれる、麻薬に似た作用を持つホルモンが分泌されるからです。
医学博士の石原結實先生は著書『男が病気にならない生き方』の中で「疲れているときこそ身体を動かすべき」だと主張されています。僕はこの言葉を知って「なるほど!」ととても納得できました。
確かに、身体を動かすことで、ボーっとしていた頭の疲れがスッキリして、かえって仕事に打ち込める体験を何度もしているからです。
▶さらに詳しく:ランニングがED対策になる理由を徹底的に解説!毛細血管が改善の鍵
疲れた時の対処法その3:お風呂に入る
熱めのお湯でさっと入浴するのか、ぬるめのお湯でゆっくり入浴するのか、もしくはシャワーだけなのか、いろいろな入浴方法があります。
疲労がとれるのは38℃~40℃の気持ちよい温度が良いと言われます。40℃以上の温度では交感神経が優位になってしまうからです。身体をリラックスさせて副交感神経を働かせるには自分が気落ち良いと感じる温度である38℃から40℃が理想的です。
僕は、ジムで運動した後に入浴していますが、とてもリラックスできて自然に笑顔が出て気持ちいいです。なお、お風呂で汗を書いたら、しっかり水分補給してください。
疲れた時の対処法その4:深い呼吸をする(瞑想)
人間は一日に18万7000項目を考えていると言われています。その情報の整理をしているのが「海馬」という記憶に関わる脳の器官です。その海馬が疲れたままベッドに入っても、なかなか眠れません。そこで、脳の疲れをリセットするための「深い呼吸」を行うのが効果的です。
息を十分吐くという行為は、副交感神経を特に刺激します。ゆっくり時間をかけて息を吐くことで、身体の中の自律神経の働きを調整できます。その際、呼吸は口ではなく鼻で行うようにします。口は、そもそも食事を摂ったり話したりする器官です。
口で呼吸すると、のどが痛くなり、だんだん苦しくなって疲れてしまいますし、呼吸が浅くなります。僕は寝る前にこれを3分間行うことで、実際にすごくリラックスできます。脳の疲れが取れるので、本当におすすめです。
疲れた時の対処法その5:爪もみをする
人間の指は、薬指が交感神経に対応しており、その他の4指は副交感神経に対応していると言われています。副交感神経を優位にしてリラックスするのに効果的なのが爪もみです。
やり方は、親指と人差し指の先端で、爪の根元をギュッギュッと30回揉む形です。これを10本の指、全部に行います。揉む強さは、少し痛いと感じる程度です。
これを習慣にすることで、交感神経と副交感神経がバランスよく整えられます。
まとめ
最近、疲れがたまっていて下半身の元気がないと感じたら、速く対処することが必要です。疲労は脳が感じているもので、脳が疲労すると自律神経のバランスが崩れ、ホルモン・バランスも乱れます。
交感神経が優位になり男性ホルモンが減少すると、勃起が起こりません。そのため、対処法として「ぐっすり睡眠する」「運動する」「お風呂に入る」「深い呼吸をする」「爪をもむ」などを行って、脳の疲れを取るようにしましょう。
といっても、一度にすべてを行うのは大変です。最初から完璧を求めるのではなく、まずはできる範囲のことからやっていきましょう。そして、それをコツコツと継続していくことでビンビンな下半身を回復させていきましょう!