EDに悩む40代男性の救世主として、バイアグラ・レビトラ・シアリスというED治療薬があります。
とてもありがたい薬なのですが、EDで困っている40代男性は、その働きを理解して服用することが大切です。なぜなら、ED治療薬の服用は本当の意味でのED治療になっていないからです。
今回は、バイアグラ・レビトラ・シアリスの効果と副作用について見ていきましょう。
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ED治療薬が誕生したエピソード
バイアグラは、もともとはED治療のために開発された薬ではありません。イギリスで、心臓に血液を送るために血管を拡張させる目的で作られた薬でした。この薬を被験者に渡して実験してもらったのですが、なぜか実験が終わっても被験者が薬を返したがらないのです。
その理由を詳しく尋ねてみると、「EDに効いていたから」だったのです。良くできた笑い話のようで、どこまで本当なのか不明なのですが、面白いエピソードです。
このようにしてバイアグラは誕生しました。日本では1999年にバイアグラが発売され、その後2004年にレビトラ、2007年にシアリスが発売されました。
ED治療薬の作用や効果は?
ED治療薬は、どのような作用で勃起を起こしているのでしょうか。それを知るためには、まず勃起のメカニズムを理解する必要があります。
専門的な話をしますと、勃起は、目や耳から入ってきた性的刺激をきっかけとして、脳にある視床下部から副交感神経(リラックスの神経)を介して陰茎(ペニス)の末梢神経に信号が伝わります。その段階で「NO(一酸化窒素)」という物質が陰茎の中で放出されます。
すると「cGMP(サイクリックGMP)」という物質が陰茎の中に増えてきます。すると、陰茎の筋肉が緩み陰茎海綿体(スポンジ状の勃起性組織)に血液が流入しペニスが硬く大きくなります。もう一度、順番にまとめますと
- 「脳」……エッチな刺激を視床下部(食欲や性欲など本能を司る脳の一部)が受け取る
- 「神経」……副交感神経(リラックスの神経)が興奮し、情報が脊髄を通って陰茎海綿体に送られる
- 「血流」……NOが産生されcGMP(筋肉を緩める物質)が増えて陰茎の筋肉が緩み、そこに血液が流れ込む
このような手順で勃起が起こります。
ただし、cGMPが増えっぱなしで勃起し続けていると困ります。そこで、cGMPを後片付けしてくれるものが存在します。それがPDE5です。これは酵素の一種で、cGMPを分解します。つまり、PDE5が働くことで勃起は終わるのです。
(引用 https://blogs.yahoo.co.jp/crazy_tombo/49035737.html)
ED治療薬の作用ですが、服用することで腸管で吸収され、血液に流れて陰茎まで運ばれます。そこでPDE5を阻害する働きがあるのです。つまりED治療薬とはPDE5阻害薬なのです。なお、血液中の薬の成分は肝臓や腎臓で代謝されて消えてしまうまで、24時間かかります(ただし「シアリス」は36時間です)。
ED治療薬のそれぞれの特徴は?
バイアグラ、レビトラ、シアリス、それぞれのED治療薬には、以下の特徴があります。
一般名 | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル |
商品名 | バイアグラ | レビトラ | シアリス |
発売年(日本) | 1999年 | 2004年 | 2007年 |
剤型 | 25、50mg | 5、10、20mg | 5、10、20mg |
効果持続時間 | 約4時間 | 約4時間 | 約36時間 |
食事の影響 | 発現の遅延 | なし(高脂肪食では減弱) | 高脂肪食でも影響を受けない |
併用禁忌 | 硝酸薬 | 硝酸薬 、抗不整脈薬、抗真菌薬、QT述長症候群、血液透析患者 | 硝酸薬 |
「レビトラ」は、内服前に食事をしても効果が影響を受けにくく、効果が出るまで時間が短いのが特徴です。
「シアリス」は、持続時間が約36時間と長いので、服用後に時間にとらわれずに済む特徴があります。
バイアグラの使い方
(引用http://www.united-omiya.com/ed/ed01/)
服用方法
- 必ず医師の診察を受けて自分用に処方された薬を飲むこと。
- 性行為を行う1時間前に1錠(50mg)を服用すること。
- 効かないからといって、連続で飲まずに24時間以上あけること。
- 満腹だと吸収が遅れるので、空腹時に飲むこと。
効果時間
- 服用後30分~4時間ほど効果が持続する。
服用できないケース
- 狭心症の治療で行われる硝酸薬(ニトログリセリン)を服用している人。
- バイアグラを過去に使用してアレルギーを起こした人。
- 血管障害で医師に性行為を止められている人。
- 重度の肝機能障害がある人。
- 低血圧(90/50mmHg未満)や高血圧(170/100mmHg以上)の人。
- 心筋梗塞発作や脳卒中後6ヶ月以内の人。
ED治療薬の副作用
頭痛・吐き気・めまい・耳鳴り・鼻づまりなど
ED治療薬を飲むと頭痛が起こり、場合によっては吐き気が起こります。飲むと後頭部がズキズキしたり、ズンと重くなったりして、翌日も頭痛が続いて仕事に支障が出ます。めまいや耳鳴りが起こるケースもあります。
射精感について
射精感は変わりませんが、強制的に勃たされている気分になります。決して気持ちの良い感覚ではありません。
免疫がついてしまう
薬を飲み続けることで免疫ができてしまい、薬が効かなくなるケースもあるといいます。「薬を使ってなんとか凌いできたが、薬の効き目がだんだん感じられなくなってきた」という話があります。
万能ではない
飲んだ全員に効くかというと、そうではありません。書籍『男性更年期障害・勃起障害・前立腺の病気を治す』によると、10人中7人くらいに効くそうです。これはEDの原因によって効果がまちまちだからです。
ED治療薬と精力剤サプリメントの違いは?
ED治療薬は「対症療法」になります。対症療法とは、疾患の原因に対してではなく、症状を軽減するための治療を行うことをいいます。
例えば、風邪をひいたら風邪薬を飲みます。薬を飲むことで、風邪の症状が治まりますので「問題が解決した」と考えることができるでしょう。しかし、風邪薬を飲んでも身体は強くなっていないため、再び風邪をひいてしまう可能性があります。
精力剤サプリメントのメリット
反対に、精力剤サプリメントは原因療法となります。原因療法とは、疾患の根本的な原因を取り除き、自然治癒能力を高める治療のことをいいます。つまり、対症療法とは相対的な療法になります。
例えば、風邪をひいたら必要な栄養素を摂ったり、汗をしっかりかいて老廃物を排出したり、食事量を減らします。そのことによって、身体が本来持っている自己治癒力を高めて風邪を治す治療となります。
人間は本来、病気を自らの力で治す生命力を備えています。原因療法は、その野性的と言っても良い回復力を呼び覚ます方法であると言えるでしょう。また、普段から身体を強くすることで疾患を未然に予防することも、原因治療の良さであると言えます。
精力剤サプリメントは食品であるため、基本的に副作用がありません。通販で購入できるため、恥ずかしい思いをすることもありません。ED治療薬よりコスパも良いです。そして何より、精力剤サプリメントは40代の男性が勃起できない原因となっている「男性ホルモンの低下」や「NO(一酸化窒素)不足」を根本的に治療する原因療法です。
考え方は人それぞれですが、僕は原因療法によって問題を根本から解決することが必要だと思っています。
まとめ
ED治療薬は素晴らしい薬だと思います。ですが、ED治療薬に頼っていると、いずれ薬の効果が薄まっていきます。薬なしでは勃たなくなった上に、海綿体を壊して再起不能になったという怖い話もあります。
最初は効いても、そのうち量を増やさないと効かなくなってくるのであれば、やはり根本的な対処が必要になるでしょう。
40代のEDは、生活習慣を改善するとともに、精力剤サプリメントで不足している栄養素を補うことが根本的な解決になります。その上で、必要であればピンポイントでED治療薬を使用するとよいでしょう。