40代になると男性は下半身の元気がなくなってきます。嫌な上司に無茶な仕事を押し付けられたり、サービス残業を当たり前のように平気で毎日させられたり、部下が思い通りに動かず「どうしてこんなこともできないんだ?」とストレスが溜まっていきます。まさに僕がそんな状態でした。
また、新しい仕事に取り組んでいると「本当に上手くいくんだろうか?」という不安やプレッシャーもあって、20代や30代の頃には無かった「ため息」が頻繁に出てきます。かといって転職することもできず、毎日を漠然と同じように過ごしている中、いつの間にか勃起力が弱っていることに気付いて「これはヤバイ」と焦りました。
このED(勃起不全)の症状は、仕事のストレスが収まれば元に戻るのでしょうか? 今回は、ストレスとEDについて調べた結果をご紹介するとともに、勃起力の低下を治すための4つの対策を見ていきましょう。
はぁ~。最近、気分が晴れないんですよね。みんな好き勝手なことばっかり言って、全部僕に仕事を押し付けようとして……。最近、朝立ちがなくなってきたんですけど、このストレスのせいなんですかね?
ストレスが増えると男性ホルモンが減る。すると勃起力が低下する。詳しく見ていこう。
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そもそもストレスって何?
よくストレスという言葉を使いますが、どういう意味なのか気になったので調べました。ストレスとは、オックスフォード英語辞典で「苦痛や苦悩を意味する“distress”が短くなった単語」とされています。
ストレスの状態を風船に例えてみます。両手で圧力を加えると風船が凹みます。風船が心で圧力がストレスです。このように、歪みが生じた状態が心理面・身体面・行動面に表れます。男性の場合、性欲の減退や勃起力の低下といったEDの症状として表れます。
ストレスとコルチゾールの関係
人間の生態的に、脳がストレスを感知すると「コルチゾール」という副腎皮質ホルモンが放出されます。
例えば、人前でスピーチするときには緊張しますが、このときコルチゾール濃度が上がることが実験で分かっています。コルチゾールは分泌される量によって血圧や血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不眠をもたらします。
(参照:資生堂ビューティーサイエンス研究所「ストレスと香り」)
なぜストレスがEDを引き起こすのか?
ストレスによってEDが起こる理由を知るために、まずは勃起のメカニズムから見ていきましょう。
勃起のメカニズム
簡単にいうと、勃起は性的刺激による興奮が神経を通ってペニスに届くことで起こります。その際、陰茎海綿体(スポンジ状の勃起性組織)に血液が流入することでペニスが硬くなり大きくなります。もっと詳しく見ていくと以下の手順で勃起は起こっています。
このように「脳」→「神経」→「血管」という過程を経て勃起が起こっています。逆に言うと、この流れのどこかに問題があると勃起が起こりません。
▶もっと詳しく:40代男性のED(勃起不全)の症状と勃起のメカニズムを解説!
なぜストレスがあると勃起できないのか?
ストレスがあると勃起できないのは、次のような理由になります。
男性ホルモンは主に精巣(睾丸)で作られますが、その指令を出しているのは脳(下垂体)です。ストレスが増えると、前述したようにコルチゾールという副腎皮質ホルモンが増えます。コルチゾールと男性ホルモンの原料は同じコレステロールであるため、コルチゾールが増えると精巣を刺激するホルモンが減り、相対的に男性ホルモンが作られる量が減ります。
そして、男性ホルモンが足りないと、勃起に必要なNO(一酸化窒素)が十分に作られません。すると陰茎海綿体の中に血液がスムーズに流れないので十分な勃起が起こりません。
ストレスがあると勃起できないのは、このような理由になります。
男性ホルモンとは?
ホルモンは、分泌する器官によっていろんな種類があります。その中でも、男性機能に重要なホルモンが主に精巣(睾丸)で作られる「男性ホルモン」です。男性ホルモンの中にもいくつかの種類があり、その代表が「テストステロン」です。テストステロンは、一言でいうと「男性」を作り出すホルモンです。
男性ホルモンの分泌量が高ければ、やる気に満ち溢れます。決断力と行動力があり、何事もパワフルに活動するオスとしての魅力にあふれます。反対に分泌量が減ると「勃起しない」「脂肪がつきやすくなる」「常に疲労感がある」「朝立ちがなくなる」という身体の変調や、「なんとなく気分が落ち込む」「やる気が出ない」「意味もなく不安になる」など心の変調が出ます。
男性ホルモンの低下は40代の男性が疾患する男性更年期障害(LOH症候群)と言われ、糖尿病や心筋梗塞、また脳梗塞などの生活習慣病、そしてEDの症状を招くと言われています。
▶もっと詳しく:EDの原因は男性ホルモンの低下!テストステロンを増やして中折れ対策!
NO(一酸化窒素)とは?
勃起に必要なNO(一酸化窒素)とは、窒素と酸素からなる無機化合物です。「Nitric Oxide」を略してNOと呼ばれます。NOは血管の内皮(血管の内壁を覆う組織)で作られ、血管の筋肉を柔らかく広げて血流をスムーズにする働きがあります。
NOはペニスに血液を流入させるために、ペニスの筋肉を緩める作用をします(正確に言うと筋肉を緩める物質はcGMPなのですが、ここでは簡略して説明します)。NOが不足すると海綿体に血流が流れず勃起が起こりません。
NOはスイカの白い部分などに含まれている「シトルリン」というアミノ酸の摂取によって産出が活性化します。また牡蠣や納豆などに多く含まれる「アルギニン」という物質もNOを作り出す原料になります。
勃起力の低下を治すためにできる4つの対策
それでは、ストレスによる勃起力の低下を治すには、どうすればよいでしょうか? 4つの有効な対策をご紹介します。
対策その1:顔をヘラヘラする(リラックスする)
顔をヘラヘラさせると中折れ対策になります。これはAV男優の田淵正浩さんが言われていて、非常に納得できた内容です。
勃起にはリラックスの神経である副交感神経が優位である必要があります。緊張している状態が続くと、副交感神経が優位にならず勃起しません。そこでAV男優の田淵さんが提唱されているのが「バカヅラをしてヘラヘラと笑う」ことです。
田淵さんは「そうでないと勃たないことを我々は知っているのです」と言われています。この言葉には、経験と実績からくる重みがあります。
笑うことに最初は抵抗があるかもしれませんが「気持ちいいなぁ、えへへー」くらいがちょうどよいそうです。実際に、「笑うと男性ホルモン値が上昇する」と専門家の堀江重郎教授も言われています。田淵さんの提唱される「ヘラヘラ笑い」は医学的にも理に適っていて、僕は感心しました。
対策その2:ぐっすり睡眠する
睡眠は、ただ頭と体を休めているだけではありません。体の組織の点検と補修を行うことや免疫力の主役であるリンパ球をつくるなど、生命を維持するための様々な活動が睡眠時に行われています。特にEDと関係が深いのは男性ホルモンが睡眠中に増量されているという点です。
男性ホルモンの生成は時間が決まっています。特に大事な時間は夜中の1時から3時で、この時間にしっかり寝ていることが大事です。また、睡眠時間の合計ですが6時間から7時間ぐらいが至適といわれています。例えば、1週間も睡眠不足が続くと男性ホルモンが10~15%減少するというデータがあります。(参照:『男性機能を高める本 』鶴見 隆史)
また、十分に寝れないとコルチゾールが分泌されて男性ホルモンが減少します。眠りの質を良くする対策として、寝る前のPCやスマホを見るのは控えましょう。枕や寝具を良いものに変更することも有効です。
対策その3:日光浴をする
朝目覚めたら、日の光を浴びます。すると、夜間担当のメラトニンから昼間担当のセロトニンへとホルモンのバランスが切り替わります。朝日を浴びると、その十数時間後にメラトニンの分泌が盛んになるタイマーのスイッチが入るので、夜は自然に眠くなり睡眠の質が上がります。
また、日光浴はビタミンDを増やします。ビタミンDは何に一番大切かというと、骨と血液です。もしビタミンDが足りないと丈夫な骨ができず骨粗しょう症の危険が高まります。
「丈夫な骨」と言えばカルシウムが思い浮かびますが、いくらカルシウムを食べてもビタミンDがないとカルシウムはあまり吸収されません。また、ビタミンDは脳や腎臓など全身に行き渡り、筋肉の造成や免疫力を高める働きもあります。
日光浴というと紫外線が気になるところですが、大丈夫です。帝京大学ちば総合医療センターの岡崎亮教授によると「正午前後なら半袖で15分ほどの日光で大丈夫。皮膚がんのリスクもほとんどない」と言われています。(参照:ためしてガッテン「緊急報告!日本人の体に異変?骨・筋肉のパワーがよみがえるSP」)
対策その4:香りを取り入れる(お香・香水など)
アロマオイルやお香などで部屋の中に心地よい香りを満たせます。そのことでストレスが軽減されることが分かっています。
例えば、うつ病の患者の病室に柑橘系の香料を漂わせたところ、抗うつ薬の投与量が半分以下に減量できたという研究結果があります。香りを使っていくことで抗うつ薬の使用量をゼロに出来た例もあるというので驚きです。このようにストレスと香りは深い関係があります。(参照:資生堂ビューティーサイエンス研究所「ストレスと香り」)
僕はお香で「白檀」という香りが気に入っています。使い方ですが、空き缶の底に重曹を詰めて、そこにお香を立てます。また香水も使います。エルメスの「ナイルの庭」という香水が、さわやかな柑橘系でリラックスできます。愛用している芸能人も多いそうです。
まとめ
ストレスがあると、コルチゾールが放出されます。コルチゾールが増えると、相対的に男性ホルモンが減少し勃起力が弱まります。そのための対策は、
- ヘラヘラする(リラックスする)
- ぐっすり睡眠する
- 日光浴をする
- 日々の生活の中に香りを取り入れる
といったことが有効です。
また、恥ずかしがらずに誰かに打ち明けることも手段の一つでしょう。同僚・上司・友達・妻・医者・カウンセラーでもいいので、自分の不安や悩みを打ち明けてみます。そのことで解決策が得られる場合もありますし、話を聞いてもらうだけで少しは楽になるものです。
このように、心の病気を防ぐためには簡単には変わらない性格や、変えられない生い立ちを不必要にいじるのではなく、生活習慣の改善を行うことです。他にも食べ物に気を付けたり、サプリメントを摂取したりといった、「コントロール可能な要素」に目を向ける様にするのが大切です。
今の自分にできることから始めていって、ビンビンな下半身を取り戻しましょう!