心筋梗塞(しんきんこうそく)と脳梗塞は、ガンと並んで死因の大きな割合を示している大変危険な病気です。たとえ健康診断で大丈夫であっても、自覚がないまま症状が進行している可能性があります。そして、その前兆がED(勃起不全)です。
順天堂大学泌尿器科・辻村晃医師によると、心筋梗塞の患者の67%がEDであったとする報告があり、逆にEDになってから3年で心筋梗塞になるケースもあるそうです。こうした事例から、「EDは心筋梗塞・脳梗塞の前兆である」というのは、決して言い過ぎではありません。
今回は、EDが心筋梗塞・脳梗塞の前兆である理由と、その原因となる動脈硬化を予防する方法について見ていきます。
ええ! EDになると心筋梗塞や脳梗塞になるんですか!? ど、どうしよう……。
そう決まったわけじゃないが、前兆である可能性が高いことは事実だ。これを読んで、しっかり対策してくれ。
Contents
EDは心筋梗塞・脳梗塞の前兆
心筋梗塞・脳梗塞という言葉に使われている「梗塞」とは、「動脈がふさがれて、その先の組織に壊死(えし)を生じた状態」という意味です。(出典:ブリタニカ国際大百科事典)
血管本来の構造が壊れて働きが悪くなることを「動脈硬化」といい、心臓に影響を及ぼすものが心筋梗塞で、脳に影響を及ぼすものが脳梗塞です。
心筋梗塞とは?
(引用:国立循環器病研究センター)
突然死の原因にもなる心筋梗塞は、一言でいうと心臓の血管が詰まる病気です。
血管の中にプラーク(コレステロールなどで隆起したかたまり)ができると、血流が滞り「血栓(けっせん)」と呼ばれる血のかたまりが血管内にできます。その血管の閉塞によって血液の流量が下がり、心筋が壊死するのが心筋梗塞です。
↓動画を見ると分かりやすいです。
心筋梗塞の症状は、胸の痛みや苦しみが数時間以上続き、顔面蒼白になり、冷や汗が出て意識不明に陥り、死に至ることもあるといいます。この文章を書いていて、ゾッとしたくらい恐ろしい病です。(参照:ウィキペディア「心筋梗塞」)
脳梗塞とは?
(引用:国立循環器病研究センター)
心臓への血流が滞ることで心筋が壊死するのが心筋梗塞であることと同じく、脳への血流が滞り脳組織が壊死するのが脳梗塞です。
脳梗塞は、日本では毎年約50万人が発症するとされ、日本人の死亡原因の中で高い順位にある病気です。寝たきりの原因の約3割とされ、後遺症を残して介護が必要になることもある病気です。(参照:ウィキペディア「脳梗塞」)
脳梗塞の前兆として、ろれつが回らなくなる、顔がゆがむ、しびれが起こる、めまいがする、視力が悪くなる、理解力低下などの症状が見られます。
僕の知人も脳梗塞で倒れています。幸いなことに後遺症はなく、元気になって退院されました。しかし、再び倒れるかもしれないことを心配されており「もし、ワシが倒れたら○○病院に連絡してくれ」と頼まれました。常に不安がある様で、薬も毎日飲まれています。
心筋梗塞・脳梗塞はEDの前兆
(参照:『男性ホルモンの力を引き出す秘訣』秋下 雅弘)
EDが心筋梗塞・脳梗塞の前兆である理由は、動脈の太さに関係しています。
動脈の太さは器官によって異なり、一番細いのが性器の動脈です。例えば、性器の動脈が50%閉塞するとEDが発症しますが、その時点で脳近辺の動脈は20%閉塞しています。したがって、糖尿病、高血圧、高脂血症など患ってきた40代男性において、一番最初に現れる動脈硬化の症状はEDなのです。
勃起は、性器の血管に血液が流入することで起こります。しかし、血管が詰まって血液が流れないとビンビンにはなりません。ですから、EDを自覚したら血管の健康が衰えていると考え、心筋梗塞・脳梗塞の疑いを持つことが必要です。
順天堂大学泌尿器科 辻村晃医師
「EDは循環器疾患であり、心筋梗塞や脳梗塞などの血管障害の予兆とみることもできます。冠動脈や内頚動脈に比べて陰茎動脈は非常に細いため、障害が最も早く現れるためです。心筋梗塞についてEDが先行した患者の割合が67%であったとする報告もあり、EDになってからおおよそ3年で心筋梗塞になっていることになります」。
(引用:「生活習慣病と関連するEDは心筋梗塞・脳梗塞の予兆! – 最新の治療事情を知る」http://news.mynavi.jp/articles/2016/10/17/ed/)
血栓(プラーク)はストレスによっても生まれる
動脈硬化の原因である血栓(プラーク)は、生活習慣の乱れだけでなく、ストレスや驚きによっても引き起こされます。
その理由は人類の進化にあります。人類の祖先は自分より強い動物たちと戦っていました。その戦いでキズを負った時に血液が素早く固まるように、血液はケガをする前から危険を察知して固まる準備をするようになったというのです。
(参照:ためしてガッテン「血液のチカラ向上作戦!脳梗塞・心筋梗塞で死なないために」)
ええっ、ストレスでも血管が損傷するんですか!? 意外ですけど、言われてみると、なんだか分かる気もします。
動脈硬化の原因は、男性ホルモンの低下
心筋梗塞・脳梗塞が起こる原因すなわち動脈硬化が起こる原因として、食生活の乱れや運動不足、またストレスなどが挙げられます。そして、他にもう一つ大事なことがあります。それが、男性ホルモンの低下です。
男性ホルモンとは?
男性ホルモンとは、一言でいうと「男らしさ」を作るホルモンです。
男性ホルモンは、さまざまな働きをしています。簡単に言うと、分泌量が高ければ、やる気に満ち溢れます。決断力と行動力があり、何事もパワフルに活動するオスとしての魅力にあふれます。
反対に分泌量が減ると「勃起しない」「脂肪がつきやすくなる」「常に疲労感がある」「朝立ちがなくなる」という身体の変調や、「なんとなく気分が落ち込む」「やる気が出ない」「意味もなく不安になる」など心の変調が出ます。
男性ホルモンの低下は男性更年期障害(LOH症候群)と言われ、糖尿病や心筋梗塞・脳梗塞などの生活習慣病、そしてEDの症状を招くといわれています。
男性ホルモンが減ると、動脈硬化が促進されてしまう
日本男性医学会理事長の熊本悦明先生は、「男性ホルモン低下によって、メタボリック症候群などのコレステロール代謝障害による内臓脂肪肥満が起きて来て、それによる血管壁の動脈硬化が促進されてくるのです」と述べられています。
僕は、40代のメタボは食生活の乱れや運動不足のイメージが強かったのですが、男性ホルモンの低下が原因の一つだったとは意外でした。
男性ホルモンが減ると勃起力が弱くなる、もう一つの理由
また、男性ホルモンが減ることによって、もう一つ問題となるのがNO(一酸化窒素)の不足です。
NOとは、陰茎海綿体(スポンジ状の勃起性組織)の緊張を弛緩して血液の流入を促進する、勃起に必要な物質です。男性ホルモンが低下するとNOを産生する能力が低下します。そのため、充分な血液流入が起こらず、勃起が弱くなるのです。
(参照:ED治療ナビ「〝朝立ち〟が消えたら心筋梗塞や脳卒中にご用心」http://www.edsnv.com/tieup/k14/476a536535673d3d)
血液項目チェック! 40代男性の血管状態は?
□ 脂っこいものばかりで野菜を食べない
□ 甘いものが大好き
□ お酒を飲む日が多い
□ 運動はあまりしない
□ 家庭や職場でストレスを感じている
□ タバコを吸っている
3つ以上、当てはまる場合は要注意です!
全部当てはまってるんですけど、どうすればいいんでしょうか……?
動脈硬化&EDの予防法
それでは、動脈硬化を予防する2つの予防法をご紹介します。それが「運動する」ことと「くるみ」を食べることです。それぞれ見ていきましょう。
運動する!
「ためしてガッテン」というテレビ番組の実験で、1日30分の軽いランニング(ウォーキング・ジョギングといった有酸素運動)を3週間続けたところ、被験者の全員が動脈硬化の原因となる血栓を溶かす力が上がったことが分かりました。
有酸素運動とは、ジョギング、エアロビクス、サイクリング、ウォーキングなど負荷が軽く持続する運動のことです。筋トレなどは無酸素運動といって、筋肉に蓄積してある糖質を燃焼させる運動のことです。
(引用http://www.health-station.com/new56.html)
浜松医科大学の浦野哲盟教授は「運動によって血栓が溶けやすい体に変わった。運動を継続すると血栓を溶かすパワーも持続する。有酸素運動で、不要な血栓を早く溶かす健康な血液になれる」と言われています。また、体重を1kg減らすと血栓を溶かす力が2割上がるとのことです。(参照:ためしてガッテン「血液のチカラ向上作戦!脳梗塞・心筋梗塞で死なないために」)
僕も週に2回、スポーツ・ジムのランニングマシーンで30分ほど走って、汗をびっしょりかくようにしました。最初は走るのがつらかったのですが、走り方を勉強したお陰で楽に走れるようになってきました。
下の記事で、素晴らしく効率の良いランニングの方法をご紹介しています。ぜひ、確認してください。
▶もっと詳しく:ランニングがED対策になる理由を徹底的に解説!毛細血管が改善の鍵
最初は正直、走る気なんて全くなかったんですけど、走ることが血管に良いって知ったら、なぜか走るのが楽しくなりましたよ!
くるみを1日7個を食べれば動脈硬化を防げる
(引用https://item.rakuten.co.jp/kyunan/kurumi-1kg/)
1日7個を食べれば動脈硬化を防げるといわれている食材があります。それが「くるみ」です。
くるみを食べている人の血管年齢は実年齢より若いという結果が出ています。また、くるみを4週間食べ続けると悪玉コレステロールが16%減少したという実験結果もあります。(2014年4月22日放送「たけしのみんなの家庭の医学」)
その理由は、くるみに含まれているオメガ3脂肪酸という油にあります。この油は、身体の中では作られないため食べ物から摂取する必要がある油です。
アンチエイジングドクター日比野佐和子博士によると、オメガ3脂肪酸には悪玉コレステロールを減らす作用があり、また血管の炎症を抑える効果があるとのことです。
日比野佐和子博士は非常に美しい方ですが、なんと年齢が40才を超えていらっしゃいます。くるみにはアンチエイジングにも効果があるそうです。
「ナッツは抗酸化力が高く、美肌のためのビタミンB群やビタミンEをはじめ、代謝を高める不飽和脂肪酸やミネラル、食物繊維が豊富なので重宝します。(日比野佐和子博士)」
このように、くるみを食べることで動脈硬化が改善され、心筋梗塞・脳梗塞の予防になります。くるみは無塩のものがおすすめです。
僕は通販で、くるみ・アーモンド・レーズンをそれぞれ1kg購入して、ミックスして食べています。レーズンが入ることでおやつ代わりになります。甘いお菓子を食べなくても食欲が満たされるのでオススメです。
なくなり次第終了!【送料無料】 無添加クルミ くるみ 1kg 無添加 クルミ 胡桃 お取り寄せ 生くるみ 送料無料 ナッツ 価格:1,579円 |
まとめ
EDは心筋梗塞・脳梗塞の前兆です。
EDを自覚したら血管の健康が衰えていると考え、心筋梗塞・脳梗塞の疑いを持つことが必要です。動脈硬化の原因は、食生活の乱れや運動不足のほかに男性ホルモンの低下が考えられます。
その対策として、今回は運動することと、くるみが効果的な食材であることをご紹介しました。
自覚症状がない心筋梗塞・脳梗塞は、ある日突然倒れてしまうこともある危険な血管の病気です。そうならないように今日から毎日の生活習慣を見直して、ビンビンな下半身を復活させていきましょう!