どこに行っても「喫煙所はアチラ」の表示……。外出先でタバコを吸うのは一苦労ですよね。「タバコは身体に悪い」と当たり前のように言われていますが、あなたは「タバコってそんなに身体に悪いのかな? みんな深刻になりすぎなんじゃない?」と、気楽に思っていませんか?
僕(20年以上の喫煙歴)がEDに関する資料をいろいろ読み漁ったところ、実は喫煙はEDの原因の一つであったことが分かりました! ここでは、どうしてタバコを吸うとEDの確率が高まるのかをご紹介します。
(カチッ、フーッ)食後の一服って、最高にウマいなー。
俺も昔は吸っていたが禁煙した。タバコとEDの関係は、専門家が口をそろえて警告しているからな。
いやー、喫煙が身体に悪いと言われているのは承知ですけど……。でもホントにEDと関係あるんですか?
ああ。これを見てくれ。
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タバコを吸うと勃起力が落ちる3つの原因
喫煙は男性機能を減退させる可能性が極めて高いです。日本たばこ産業が2014年に発表したデータでは、日本人男性の喫煙率は30%です。これに対して、ED患者の喫煙率は80%を占めるとも言われています。(参照:『男性機能を高める本 (精力減退は酵素不足が原因だった)』鶴見 隆史)
タバコでED!原因その1.血流が悪くなる
今更ですが、タバコにはニコチン、ヒ素、カドミウム、トルエンダイオキシン、一酸化炭素など4000種類を超える化学物質が含まれており、そのほとんどが有害物質です。さらに、うち数十種類が発がん物質です。
タバコを吸うと、ニコチンが血管の収縮と血圧の上昇をもたらします。すると血流が悪くなります。多数の血管が張り巡らされている、血管の塊の様なペニスには、大問題となります。
(参照:『男性ホルモンの力を引き出す秘訣』秋下 雅弘)
この図のように、体の中で一番細いのは性器の動脈です。タバコに含まれるニコチンによって、この細い血管に流れる血流が減少すれば、当然のごとくペニスはフニャフニャになってしまいます。また、タバコは動脈硬化の原因にもなると言われています。
タバコで動脈硬化が起こる理由
- タバコを吸うと血液中に活性酸素(毒性が強く、体内の細胞を酸化させる)が増えます。
- 活性酸素は血管の内壁にある内皮細胞を傷つけます。
- その傷口に悪玉コレステロールが入り込んできます。
- コレステロールが血管を狭めていきます。
うーむ、タバコを吸うとペニスに血液が行きづらくなるのか。どうりで……。
タバコでED!原因その2.NO(一酸化窒素)が減少する
勃起するにはNO(一酸化窒素)が放出される必要があります。タバコを吸うことによって体内に活性酸素が増え、これにより血管内皮が障害を受けるとNOの働きが抑制されてしまいます。(参照:日本心臓財団 喫煙と循環器病(禁煙のすすめ))
ここで勃起のメカニズムを確認しておこう。
勃起のメカニズム
勃起はどんな風に起こっているのでしょうか? 簡単に言うと「ペニスに血液が流入する」ことで起こっています。もう少し詳しく見ると以下のようになります。
性的刺激があると大脳からシグナルが送られ、副交感神経である骨盤神経末端からNO(一酸化窒素)が放出されます。NOは陰茎の海綿体に染み渡っていきます。すると特殊な反応によって、環状グアノシン一リン酸(cGMP)という物質が陰茎海綿体の中で増えていきます。
陰茎海綿体の本体は筋肉の塊です。筋肉と言っても平滑筋という種類で、血管を形成する筋肉と同じ筋肉であり、柔軟性に富んでいます。その海綿体の中でcGMPが増えると、その筋肉は弛緩してきます。つまり、筋肉が緩んでくるのです。平滑筋の塊である陰茎海綿体の中には陰茎深動脈という動脈が走っており、普段から海綿体は血液で満たされています。
cGMPによって平滑筋が緩んでくると、緩んだ部分に普段の動脈の血流以上の大量の血液が入ってきます。つまり、陰茎海綿体の中にどんどん動脈血が送り込まれて充満します。これが勃起の正体です。(引用元:『男性機能の「真実」』永井 敦)
NO(一酸化窒素)とは
NO(一酸化窒素)の特徴は、以下のようになります。(参照:『ホルモン力が人生を変える』堀江 重郎)
- 血管を拡張
- 血流を増加
- 血圧を下げる
- 動脈硬化を防ぐ
- 気管を拡張
- 胃壁を守る
- 肝臓の利尿作用を調整
- 陰茎の勃起に関係
- 脳神経系にも影響
- シナプスの興奮伝達調節作用
- NOが減ると「うつ病」になる
- NOが不足すると記憶が悪くなる
このように、NOはペニスの筋肉をゆるめる作用を持ちます。性的刺激を受けるとNOが作用して、ペニスの筋肉が緩んで海綿体に血液が流れ込んで勃起します。NOが減少すると筋肉がゆるまず、勃起が起こらなくなるのです。
へぇー。NO(一酸化窒素)って初めて聞いたけど、そんなに重要なものだったんですね。
タバコでED!原因その3.テストステロンが減少する
「テストステロン」という男性ホルモンがあります。これは筋肉を作る、ポジティブな思考を生み出すといった「男らしさ」を司るホルモンです。簡潔に言うと、テストステロンが減少するとEDの症状が発症しやすくなります。
喫煙は強烈な酸化ストレスとなります。タバコを吸うたびに体が錆びると言っても過言ではありません。酸化ストレスは当然、精巣にも影響するため、テストステロンが減ってしまいます。
ただし、ややこしいのですが「喫煙していた人が禁煙すると、やはりテストステロンが減ってしまう」とも言われています。簡単にいうと、急な禁煙によって女性ホルモンが増えるからなのです。(参照:堀江 重郎『ヤル気がでる! 最強の男性医療』)
「吸ってもダメ、吸わなくてもダメならどうすれば良いんだ!?」思いますよね。その答えですが、もしタバコを吸っていて禁煙を決意したら「運動をする」と良いです。筋肉を使うとテストステロンが高まるので、水準を維持しながら禁煙することが可能になります。
さらにタバコは精子にも悪影響!
タバコが及ぼす害は、男性ホルモンの減少だけではありません。タバコは精子そのものにも悪影響を及ぼします。喫煙によって精子の数が減ってしまい、運動能力の高い精子の数が減るとされています。
また、喫煙による酸化ストレスで精子のDNAの構造が傷つけられる恐れがあります。DNAが損傷した精子は受精しにくく、また受精して妊娠しても正常な胎児にならずに流産しやすくなってしまうと、恐ろしいことがいわれています。
男性においては、勃起障害のほか、精子の変形や運動性の低下・数の減少、不妊を引き起こす可能性が指摘されています。(厚生労働省 e-ヘルスネットより)
病気はタバコのせいだけではない。だからこそ努力で減らせるリスクは減らした方がいい。
そこまで言われたら僕も禁煙することにしますよ!
メンソールのタバコはEDを生み出す?
僕が学生のころ「メンソールを吸うとインポになるぞ」という噂が流れていました。メンソールの成分がEDを生み出すなら、メンソール入りのガムや歯磨きを使ってもEDになるんじゃないかな? と思っていたのですが、真相はどうなのでしょうか。
ここまで見てきた通り、タバコそのものにEDを発症させる原因があるので、タバコがメンソールかどうかは関係がない、ということがわかりました。でも、どうしてこんなウワサが出てきたのでしょうか? メンソールタバコとEDの関係を調べてみたところ、この都市伝説が生まれた背景にあったのは、以下の理由でした。
「メンソールタバコを吸うとEDになる」という都市伝説が生まれた理由
■メンソールは口当たりが軽くて吸いやすいので、重厚な煙草より喫煙本数が増える→喫煙が増えると血液循環が悪くなる→メンソール=インポなる、という公式がまことしやかに囁かれるようになった。
■メンソール煙草はGHQが日本に普及させた→GHQの統治を良く思っていない日本人が、そういうデマを流した。
■「M☆A☆S☆H」(1970米)という映画の中で、朝鮮戦争に行ったお医者さんが「メンソールのタバコはインポになる」という会話をしていた。
■某国で戦争時の婦女暴行を防ぐため、普通のタバコのなかに精力減退剤を混入させ、その成分をメンソールで隠したものを兵士達に支給して吸わせた。
まとめ
タバコを吸うことによって血管が収縮し、血流が悪くなります。体の血流が悪くなれば海綿体への血流が悪くなり、勃起しにくくなります。ED診療ガイドラインでは、「喫煙者ではEDの発症率が高い。EDの一次予防としてできるだけ喫煙しない(受動喫煙も含め)ことが推奨される」と言い切っています。
もちろん、タバコを吸っていてもEDにならない人はいます。僕は20年以上も喫煙してきたのですが、40代になるまで不安は一切なく、それなりにギンギンの状態でした。しかし40代になって勃起力が低下してきたので、ついに禁煙することにしました! 「いつまでもビンビンな生活を過ごしたい!」という思いがあるので、一度も挫折することなく禁煙が続いています!
40代のあなた! あなたも今日から禁煙して、ビンビンなライフを目指しましょう!