40代の男性は、元気に働いていた20代・30代の頃に比べて体力・気力が落ちています。例えば、朝起きるのがつらくなったり、起きても憂鬱な気分が一日中続いて「はぁー」とため息が出たり、何かをしようにも前向きなパワーが湧かない……。
こんな状態が続くと、下半身の方も元気がなくなります。例えば、「刺激を受けている時は勃起するけど、挿入すると途中で萎えてしまう」や「ゴムをつけると萎えてしまう」といった、いわゆる「中折れ」が起こります。また、朝起きた時の「朝立ち」の回数が少なくなります。その結果、「自分の絶頂期は過ぎた……」と男としての自信を失って、ますます元気がなくなってしまいます。
実は、あなたが感じている悩みや不調は、40代の多くの男性に起こる典型的なパターンです。この不調の原因は「男性ホルモンの減少」にあります。今回は、EDと男性ホルモンの関係についてご紹介します。
はぁー。最近、原因不明の不安が胸の奥にあるんですよ。これってやっぱり「うつ」なんですかね……。
症状はうつ病に似ているが、実際には精神科にいっても改善しないことが多い。なぜなら根本原因は男性ホルモンの減少だからだ。ここでしっかり学んでくれ。
Contents
ホルモンとは?
ホルモンとは、もちろん焼肉のことや、音楽のバンドのことではありません。ホルモンとは、身体の様々な働きを調節する化学物質のことです。ホルモンは「刺激する」「呼び覚ます」を意味するギリシャ語で、眠っている身体を目覚めさせ、成長や代謝を促すことから、こういう名称がつけられたそうです。
ホルモンは、身体のいろいろな内分泌腺(脳下垂体や生殖腺などの器官)から分泌され、血液によって全身に運ばれ身体の調整をしています。簡単に言うと、ホルモンとは私たちの身体や精神、また感情のバランスを整えてくれるものなのです。
例えば、「朝起きたから、頭をスッキリさせてね」という信号を発したり、男の子なら「第二次成長期になったから、男性らしい身体にさせてね」という信号を発したりします。それによって心や体が変化するのです。
ホルモンは、分泌する器官によっていろんな種類があります。その中でも、男性機能に重要なホルモンが主に精巣(睾丸)で作られる「男性ホルモン」です。
男性ホルモンの働き
男性ホルモンは、さまざまな働きをしています。簡単に言うと、分泌量が高ければ、やる気に満ち溢れます。決断力と行動力があり、何事もパワフルに活動するオスとしての魅力にあふれます。
反対に分泌量が減ると「勃起しない」「脂肪がつきやすくなる」「常に疲労感がある」「朝立ちがなくなる」という身体の変調や、「なんとなく気分が落ち込む」「やる気が出ない」「意味もなく不安になる」など心の変調が出ます。
さらに、男性ホルモンの低下は男性更年期障害(LOH症候群)と言われ、糖尿病や心筋梗塞、また脳梗塞などの生活習慣病、そしてEDの症状を招くといわれています。
テストステロンとは?
男性ホルモンには、いくつかの種類があります。その代表が「テストステロン」です。テストステロンは、一言でいうと「男性」を作り出すホルモンです。
例えば、映画やマンガに出てくるヒーローのような未知の世界にチャレンジする冒険心や、弱きを助ける男気です。また、仲間と協力して目的を達成するパワーや、愛する女性を守る使命感などです。これらの男らしさはテストステロンが作り出します。オスとしての責務を全うするパワーの源、それがテストステロンなのです。
その他のテストステロンの働き
- 男性らしい逞しい身体を作る
- タンパク質を筋肉に変える
- 内臓脂肪がつくのを抑える
- 体毛発育を促進する
- 生殖器官を発達させる
- 性欲を高める
- 異性を引き付けるフェロモンを発生する
- 闘争的、攻撃的な性格を作る
- 動脈硬化の予防
- 血液を作る
- メタボリックシンドロームの予防
- やる気、判断力、決断力など男性的思考の結成
(参照:『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』堀江 重郎)
テストステロンが高い人の特徴
テストステロンが高い男性の特徴は、一言でいうと「前向きでパワフル」です。例えば、男女を問わず友人や仲間から頼られる存在です。また、社会との協調を大切にするので、競争心はあっても暴力に訴えることはありません。アメリカの心理学者の研究によれば、テストステロンが高い人の職業は、画家、俳優、音楽家などが多いそうです。
テストステロンが高い男性の特徴
- 元気・明るい・活動的
- とにかく自信にあふれる
- 莫大な資産を築き、素晴らしい友人や先生に囲まれる
- 女性と愛に溢れる家庭を築ける
- チャレンジ精神が旺盛で、失敗のことは考えない
- 世間の価値観ではなく、自分の価値観で決断・行動する
- 短い文章や言葉で相手の心をつかむのが上手い
- 自分の使命を全うし、自分の人生に自由に生きることができる
- 野獣に見えるが、実は心優しい
テストステロンが高い人って、カッコいいですね!
テストステロンが低い男性の特徴
テストステロンが低い男性の特徴は、一言でいうと「何もかも億劫になる」です。例えば、外出が面倒になったり、何かを始める気力がなかったり、仮に始めてもすぐに途中で投げ出します。西オーストラリア大学の調査では、うつ病の男性は、そうでない人に比べテストステロンが低いことが分かっています。(『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』堀江 重郎)
テストステロンが低い男性の特徴
- 会社で上司にこき使われ、尊敬されず、いろんなことに縛られる
- お金に苦労し、女性にも愛想を尽かされ、男性としての自信がない
- 愚痴が多くすぐに腹を立てるが、いざとなると何もできない
- 気分が落ち込みやすく、活力がない
- 世の中に関心がない
- 集中力・記憶力が低下する
- 意味もなく不安になる
- 性欲・勃起力が減少し、朝立ちしない
- ニート
ビンビンになるには、テストステロンを高める意識を常に持つことだ。
テストステロンの低下度をチェック!
あなたのテストステロンの低下度をチェックするAMSスコア(加齢男性症状調査表)があります。以下の17の質問をチェックしてみましょう。各設問に当てはまる症状の程度をチェックし、点数を合計してください。
テストステロンの低下度チェック!
※なし(1点)、軽い(2点)、中等度(3点)、重い(4点)、非常に重い(5点)
- 全体的に調子が思わしくない
- 関節や筋肉に痛みがある
- 原因不明の発汗がある
- グッスリ眠れない
- 夕食後にうたた寝をするようになった
- いらいらする
- 怒りっぽくなった
- 理由もなく、もの悲しい気分になる
- 疲労感や行動力の減退を感じる
- 筋力が低下し持続力が下がった
- 憂鬱な気分になる
- 絶頂期は過ぎたと感じる
- 力尽きた、どん底にいると感じる
- ひげの伸びが遅くなった
- 勃起力が弱まった
- 朝立ちの回数が減少した
- 最近、性欲が湧かない
結果発表!
27点以上は、テストステロンが低下して男性更年期障害の可能性があります。しっかり対策をしましょう!
17~26点:男性更年期障害ではない
27~36点:軽度男性更年期障害の可能性
37~49点:中等度男性更年期障害の可能性
50点以上 :重度男性更年期障害の可能性
12番の「絶頂期は過ぎたと感じる」って、なんかグサッとくる表現ですね……。
男性ホルモン(テストステロン)が減少する3つの原因
男性ホルモン(テストステロン)を減少させる原因はいろいろありますが、次の3つが大きな原因です。
男性ホルモン減少の原因その1:加齢
(引用:日本泌尿器科学会雑誌Vol. 95 (2004) No. 6 P 751-760より)
男性ホルモンは、20代前半のピークから10年ごとに平均9.2%ずつ低下していきます。
男性ホルモン減少の原因その2:ストレス
40代男性は中間管理職として、部下と上司の板挟みになって責任も多くストレスが多いです。家庭では子供が思春期にさしかかり、受験やローンなどの金銭面もあり、仕事でも家庭でもストレスが男性ホルモンの減少を招きます。
男性ホルモン減少の原因その3:生活習慣の悪化
喫煙や偏った食事、過度の飲酒、また運動不足による肥満など、日々の生活習慣によって男性ホルモンが低下します。また、生活習慣病である糖尿病や高血圧症を疾患している人は、EDになりやすいと言われています。
男性ホルモン(テストステロン)を高める方法
以上のような原因から、男性ホルモンは低下します。そして、放っておくと症状は悪化します。しかし、諦めることはありません。筋肉は何歳になっても発達させることができます。
例えば、60代や70代になってもボディビルの大会に出られる選手がいるように、生活習慣の改善によって男性ホルモン(テストステロン)の上昇は可能です。男性ホルモンを高めるために、できることから始めていきましょう!
男性ホルモンを高める!その1:質の良い睡眠をとる
男性ホルモンは寝ている間に回復します。ぐっすり寝ることができない原因の一つに、「就寝前のスマホいじり」があります。寝る前にパソコンやスマホでネットサーフィンをすると、体の疲れやダメージを回復させて心をリラックスさせる副交感神経に切り替わらず、睡眠の質が悪くなりますので注意してください。また、マクラや布団など、寝具にこだわってみるのも一つの手段です。
スマホいじりに関して1つ付け加えますと、ブルーライト(※)をカットする「ブルーライト対策メガネ」というものが販売されており、これがかなり目に優しくて良い感じです。実際に僕も使っていますが、このメガネをかけてPC・スマホを見ると眼が疲れにくく、保護されている安心感があって気に入っています。普段から、こういうアイテムを使って目を保護するのもオススメです。
※スマートフォンの画面が放つ光のこと。ドライアイ、視力低下、睡眠不足など身体に悪影響を及ぼすといわれています。
男性ホルモンを高める!その2:ニカッと笑う
仕事や家庭、人間関係や金銭面でのストレスが男性ホルモンを低下させます。ストレスを解消するには楽しいこと、気分の良いことを行うことです。例えば音楽を聴いたり、スポーツで汗を流したり、入浴したり、マッサージを受けるなどあります。一つオススメなのは、朝起きてニカっと笑うことです。
うつむいて歩くと気分が暗くなり、上を向いて歩くと気分が明るくなるように、姿勢や表情と精神は繋がっています。無理やりにでも口角を挙げると、不思議と気分も明るくなってきます。ユーモアと男性ホルモンは関係が深いとされますので、無理やりにでも冗談を言うこともオススメです。
いきなり一人で笑うって、ヘンに思われないですかね?
誰も見ていないから気にしなくて大丈夫だ。試しにやってみるといい。気分が明るくなるぞ。
男性ホルモンを高める!その3:運動する
筋力トレーニングやジョギングなど、運動することで男性ホルモンが高まります。厚生労働省の長寿科学研究で高齢者に運動教室を開いたところ、運動により男性ホルモンが増える効果が確認されました。
筋トレの中でも、特にスクワットやカーフレイズ(ふくらはぎの上げ下げ)など下半身のトレーニングがおすすめです。下半身は全身の筋肉の70%を占めていると言われています。下半身を鍛えることで代謝や血行が良くなるので、ED改善に大きく役立ちます。
男性ホルモンを高める!その4:アミノ酸スコアの良い食品を食べる
(引用:厚生労働省HPより)
男性ホルモンを上げるには、アミノ酸スコアの高い食品が効果的です。人間の体内で作ることのできないアミノ酸を「必須アミノ酸」と言い、そのバランスを示すものがアミノ酸スコアです。
例えば「牛ロース脂身なし」「鶏むね肉」「鶏卵」「豆腐」などがあります。その他にもニンニク、ショウガ、ネギ類や、亜鉛を含む食品(牡蠣など)も効果的です。食事については、別の記事でさらに詳しく紹介しています。
▶さらに詳しく:EDを食事で改善!効果のある食べ物で中折れを予防!
まとめ
ホルモンは私たちの身体や精神、また感情のバランスを整えてくれるものです。その中で、男性ホルモン(テストステロン)は「男らしさ」を作り出します。EDの改善には男性ホルモンを高めることが必要不可欠です。
男性ホルモンは加齢・ストレス・生活習慣の悪化によって起こり、テストステロンを高めるには質の良い睡眠・笑う・運動する・アミノ酸スコアの高い食品を摂ることが有効な対策になります。40代男性に起こる不調の原因は、男性ホルモンの減少です。
EDの改善には「男性ホルモン(テストステロン)をいかに増やすか?」という思考が欠かせません。常に男性ホルモンを高める意識を持ち、中折れ対策をしていきましょう!