「はぁー、なんだか最近、やる気が出ないなぁ……」
朝、目が覚めても元気に起きれないし、なんとなく憂鬱な気分が続いて、ため息をつきながら仕事にいく毎日……。そのような憂欝な気分が続いていくと、朝立ちが減り、勃起力が低下する悩みが深刻になります。
しかし、うつ病だと思って精神科に行って抗うつ薬を飲んでも改善しないことが多いですし、うつ病で抗うつ剤を飲んでいるとEDの症状がひどくなる場合もあります。
根本原因は、男性ホルモンの減少である可能性があります。今回は、うつ病とEDについて見ていきます。
はぁ~、最近疲れやすいし、周りの人とも話す気分にならないし「周りはみんな敵なんじゃないか?」という思いも……。朝立ちもしないんです。
40代男性が感じる不調は、うつではなく男性ホルモン減少の可能性がある。まずは、うつ病のことから見ていこう。
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うつ病とは?
うつ病とは「気分障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥、食欲低下、不眠、持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害である(ウィキペディアより)」という症状のことです。
精神的な症状としては「気分が落ち込む」「悲しい気持ちになる」「人と話せない」などになります。身体的な症状としては「眠れない」「食欲がない」「ED(勃起不全)」「疲れやすい」などになります。
僕は一時期、「世の中の人間は、すべて自分の敵だ」と思っていたことがありました。また自分に自信がなく「どん底のままでいい」など思っていました。それなのに、ため息が出て悲しい気分になっていました。
うつ病の原因
うつ病の原因は完全に分かっていませんが、うつ病の症状が発現しているとき「脳がどのように働いているのか?」については、徐々に明らかにされつつあります。それが、脳の中にある3つのホルモン・バランスの乱れです。
例えば、うつ病の人の脳の中では、神経伝達物質である「セロトニン」と「ノルアドレナリン」が非常に少なくなっていると考えられています。
抗うつ薬とは?
抗うつ薬は、セロトニンとノルアドレナリンの量を増やし、脳の活動を活発にして、症状を良くしようとするものです。
抗うつ薬は、化学構造の違いから、「三環系」「非三環系」「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」等に分類されます。
うつ病の治療中にED治療薬を飲んでも大丈夫?
これらの抗うつ薬はバイアグラ・レビトラ・シアリスといったED治療薬との併用は問題ありません。しかし、抗うつ薬には性欲減退の報告があります。これは薬を服用してEDになるので「薬剤性ED」と呼ばれます。
例えば、軽めの抗うつ薬として処方される「スルピリド」にはEDが引き起こされる可能性があります。(参照:浜松町第一クリニック)
しかし、抗うつ薬にEDを引き起こす可能性があるからといって、自分の判断で抗うつ薬の服用を中止しても問題の解決になりません。この問題の根本原因は、男性ホルモンの減少にある可能性があるからです。
40代になると、うつっぽくなるのは「男性更年期障害」
40代の男性が感じている、理由がはっきりしない不安や憂鬱な気分などの精神的な不調は、実はうつ病ではなく男性ホルモンの減少が原因である可能性があります。その症状を男性更年期障害(LHO症候群)といいます。
男性更年期障害の症状は元気がなくなって落ち込んだり、朝起きられなくなったり、意欲がなくなるなどです。身体面では冷え性になったりEDになったり不眠になるなどが起こります。
このように、男性更年期障害は症状がうつ病と似ており、EDとの合併症であるケースが多いです。ED患者ではうつの有病率が、非ED患者と比べて2.6倍であるとのデータがあります。(参照:浜松第一クリニック)
男性ホルモンとは?
男性ホルモンは、さまざまな働きをしています。簡単に言うと、分泌量が高ければ、やる気に満ち溢れます。決断力と行動力があり、何事もパワフルに活動するオスとしての魅力にあふれます。
反対に分泌量が減ると「勃起しない」「脂肪がつきやすくなる」「常に疲労感がある」「朝立ちがなくなる」という身体の変調や、「なんとなく気分が落ち込む」「やる気が出ない」「意味もなく不安になる」など心の変調が出ます。
男性ホルモンの働き
- 男性らしい逞しい身体を作る
- タンパク質を筋肉に変える
- 内臓脂肪がつくのを抑える
- 体毛発育を促進する
- 生殖器官を発達させる
- 性欲を高める
- 異性を引き付けるフェロモンを発生する
- 闘争的、攻撃的な性格を作る
- 動脈硬化の予防
- 血液を作る
- メタボリックシンドロームの予防
- やる気、判断力、決断力など男性的思考の結成
(参照:『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』堀江 重郎)
男性ホルモンは年々減っていく
(引用:日本泌尿器科学会雑誌Vol. 95 (2004) No. 6 P 751-760より)
男性ホルモンは年齢とともに減っていきます。日本泌尿器科学会が調査したデータによると、20代前半のピークから10年ごとに平均9.2%ずつ低下していきます。
また男性ホルモンは、運動不足によっても減りますし、仕事や家庭のストレスによっても減ることが分かっています。
▶さらに詳しく:EDの原因は男性ホルモンの低下!テストステロンを増やして中折れ対策!
うつ病患者がEDを改善する方法
それでは、うつ病である(またはそう思っている)人が、EDを改善していくにはどうすればいいでしょうか? まずは「姿勢を正す」「運動をはじめる」「体温を上げる」ことを考えていきましょう。
心がどうにもならないときには、一歩を踏み出して身体の外側の動きから入ると良いです。
うつ病のED改善その1:姿勢を正す
脳科学者の中野信子さんが、面白い心理実験を紹介されています。ポーズの取り方で男性ホルモンの数値が変わるということです。これは形から入るという方法です。
ちょっと肩をすくめたり背中を丸めたりするなど弱いポーズを取らせたグループと、腕を組む・胸を張る・足を組むなど強いポーズを取らせたグループ、その2つのグループの男性ホルモンの値を調べました。
すると、弱いポーズを取らせたグループはコルチゾールというストレス・ホルモンの値が上がっていて、男性ホルモンの量が減っていたのです。(参照:https://youtu.be/3GMgsGr7dZM)
したがって、うつ症状でやる気が出ない場合、まず姿勢を正すことからはじめてみましょう。悲しいときには、首がうなだれ背骨が曲がり声もしぼんでいきます。この姿勢は胃腸や心臓を圧迫して呼吸が浅くなり、身体的にも外見的にも力弱い姿勢です。
逆に、元気のいい時は背骨が伸びきって下腹部に力を込められます。すると、背骨の両側に沿っている自律神経も安定した刺激を受けて活性化され、明るい声が出て笑顔も出てきます。
僕は姿勢を正すことで、うつの症状が軽減されてきて、人と笑顔で話せるようになってきました。外見から入ることは、とても効果があると感じています。
うつ病のED改善その2:運動する
やる気がないのに運動するのは難しいかもしれません。しかし、「運動することでやる気を出す」という逆説的な対症療法が効果的なのです。
ランニングをしたり、重いものを持ち上げるといったトレーニングをしたり、身体を動かすことを行うと気分が高揚します。陶然とした気分になったり、爽快になるなどストレスが解消されます。これは、身体を動かす過程で脳内からベータエンドルフィンと呼ばれる、麻薬に似た作用を持つホルモンが分泌されるからです。
体を動かすことで、ボーっとしていた頭の疲れがスッキリして、元気になってきます。僕は運動をはじめてから、体つきが変わって自分に自信がついてきました。最初から頑張らなくてよいので、マイペースで行うことを強くおすすめします。
▶さらに詳しく:ランニングがED対策になる理由を徹底的に解説!毛細血管が改善の鍵
うつ病のED改善その3:体温を上げる
日本人の低体温化が進んでいます。うつやノイローゼのような精神的な不調と低体温は関係があります。心の病気にかかっている患者の多くが低体温であることがわかっています。例えば、体温が一度低下すると代謝が12%下がり、免疫機能が約30%下がります。(参照:『男が病気にならない生き方』石原 結實)
身体が冷えると血管が硬くなり、血流が悪くなります。その結果、身体の細胞に栄養素や酸素が行き渡らなくなり、老廃物も排出されず血液が汚れてしまいます。例えば、がん細胞は35℃で増殖しやすいといわれています。このように体温が下がるほど病気になりやすい身体になります。
健康な人の体温は36.5℃です。体温を上げるには、食生活を見直すことと運動することが効果的です。
なお、平熱とは健康な時の体温で、午前10時に測った体温のことをいいます。僕は、始め体温が35.5℃以下だったのですが、運動を行うことで36℃台まで上昇しました。
まとめ
うつ病だと思って抗うつ薬を飲んでも症状は改善しないことが多いですし、EDの症状がひどくなる場合もあります。原因は男性ホルモンの減少である可能性があるからです。
うつ病である(またはそう思っている)人が、EDを改善していくには、まずは「姿勢を正す」「運動をはじめる」「体温を上げる」ことを考えていきましょう。心がどうにもならないときには、勇気を出してまず一歩を踏み出して、身体の外側の動きから入ることが僕の場合は効果的でした。
ただ、これらを一度にすべてを行うのは大変です。ですから、最初から完璧を求めるのではなく、最初はできる範囲のことからでいいので始めていきましょう。そして、それをコツコツと継続していくことでビンビンな下半身を回復させていきましょう!