40代の男性には、勃起力が弱まるという深刻な悩みがあります。僕の場合、いつの間にか朝立ちの回数が少なくなりました。また、勃起した時の角度がとても浅く、しかも1分くらいの時間で萎えてしまう有様です。
自分が当事者になる前は、ED(勃起不全)なんて他人事だと思っていたので「EDって、射精できないことを言うんでしょ?」と曖昧に考えていました。しかし、きちんと調べてみるとEDの症状や勃起のメカニズムなどについて、いろんなことが分かりました。
EDについて知ることは、EDを克服する最初のステップになります。今回は、EDの症状と勃起のメカニズムを見ていきましょう!
最近、EDなのかどうかわからないんですけど「立ち具合」が悪くって……。朝立ちしない日も増えているんです。
EDにはいろいろな症状があるが、それもEDだ。詳しく見ていこう。
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EDの症状
僕はEDとは「射精できないこと?」くらいに思っていたのですが、違っていました。簡単に言うと、勃起力が弱まればEDなのです。
厳密に言うと、EDとは「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか,または維持できない状態」のことをいいます。(引用元:日本性機能学会「ED診療ガイドライン」)
こんな症状はED(勃起不全)またはED予備軍です!
- 年下の女性とお付き合いしてるが、いざ挿入のとき持続せず微妙な雰囲気になる。
- 妻以外の人とする時は問題ないけど、妻の時だけは立たない。
- 一人でAVを見るときは勃起して最後までいけるが、生身だと肝心なところで小さくなってしまう。
- 3回連続で中折れ。最初は立つが、だんだんと萎えてしまう。
- 挿入前はピンとしていても、中に入ると小さくなってしまい、あっという間に終了。
- セックスの際に、挿入できる硬さまで勃起しない。
- すぐ小さくなる。挿入中でも小さくなる。
- 朝立ちが減った。たまに勃起するけど、すぐに萎えて持続できない。
- ゴムをつけると萎える。
- 刺激を受けているときは勃起するけど、挿入すると途中で萎えてしまう。
- 最近になって突然立たなくなり、いざというときに反応がなく非常に困っている。
- 仕事に追われ、中々夫婦生活も出来ず気付けば精力減退というよりも、そういったことにほとんど興味がなくなってしまった自分に焦る。
- 立たないとまではいかないものの、そういった事になんだか興味が薄れた。
うーん、ということは僕もEDなんですね? 認めたくはないけど、なんとかしないと……。
一目でわかるEDチェック!
EDの診断基準には「SHIM」というものがあります。ここでは、もっと直観的にあなたのED度をチェックできる方法をご紹介します。ED治療の権威である東邦大学医学部泌尿器科教授・永尾光一先生が考案された「勃起機能アンケート」です。
▶勃起具合をセルフチェックできる「SHIM」について詳しく見る
勃起機能アンケート
Q1.最近、性交の試み(失敗も含めては何日くらいですか?
(3ヶ月・6ヶ月・1年)に( )日くらい。
Q2.その内、挿入は何日できましたか?
( )日くらい
Q3.その内、射精は何日ありましたか?
( )日くらい
ここに記入された数字を見て泌尿器科の先生が診断をされるのですが、この次にあるQ4が非常に直観的で分かりやすいのです。「勃起した時の角度がどれほどあるか?」という質問です。
「90度あれば勃起機能は大丈夫と考えてよいでしょう(永尾光一先生)」とのことです。僕は自分の角度を見て愕然としました。なんと⑤~⑦です。「これは真剣になんとかしないと……」と思いました。
早めに対処することが、改善の近道だ。
勃起のメカニズム
そのそも、勃起はどのようにして起こるのでしょうか? 勃起のメカニズムを調べたところ、脳の指令と血行(血液)が重要であることが分かりました。それを表したのが以下の図です。
勃起は、目や耳から入ってきた性的刺激をきっかけとして、脳にある視床下部から副交感神経を介して陰茎の末梢神経に信号が伝わります。その段階でNO(一酸化窒素)が陰茎の中で放出されます。するとcGMP(サイクリックGMP)という物質が陰茎の中に増えてきます。すると、陰茎の筋肉が緩み陰茎海綿体(スポンジ状の勃起性組織)に血液が流入しペニスが硬く大きくなります。もう一度、順番にまとめますと
- 「脳」……エッチな刺激を視床下部(食欲や性欲など本能を司る脳の一部)が受け取る
- 「神経」……副交感神経(リラックスの神経)が興奮し、情報が脊髄を通って陰茎海綿体に送られる
- 「血流」……NOが産生されcGMP(筋肉を緩める物質)が増えて陰茎の筋肉が緩み、そこに血液が流れ込む
この順番で勃起が起こります。つまり、EDとはこの一連の流れがスムーズに行えなくなっている状態を意味します。EDになる場合、この流れのどこかに問題があるのです。
NO(一酸化窒素)とは?
NO(一酸化窒素)は窒素と酸素からなる無機化合物です。「Nitric Oxide」を略してNOと呼ばれます。血管の内皮(血管の内壁を覆う組織)で作られ、血管の筋肉を柔らかく広げて、血流をスムーズにする働きがあります。
NOはペニスに血液を流入させるために、ペニスの筋肉を緩める作用をします。NOが不足すると海綿体に血流が流れず勃起が起こりません。NOはスイカの白い部分などに含まれている「シトルリン」というアミノ酸の摂取によって産出が活性化します。また牡蠣や納豆などに多く含まれる「アルギニン」という物質もNOを作り出す原料になります。
勃起のメカニズムに重要な物質「cGMP」と「PDE-5」
勃起が起こるには、ペニスの筋肉が緩んで血液が流れ込む必要があります。その際、血液を運ぶ動脈と陰茎海綿体に勃起を起こすエネルギーを与えてくれるのが「cGMP(サイリックGMP)」です。cGMPが増えるほど勃起は硬く維持されます。
しかし、いつまでも勃起が続くと困ります。そこで、cGMPを分解する役目の物質が登場します。それが、「PDE-5」です。これは酵素の一種でcGMPの後片付け薬です。PDE-5のお陰で勃起が収まるのです。しかし、EDの場合は逆にこれが問題となります。そこで登場したのがED治療薬です。
バイアグラ・レビトラ・シアリスといったED治療薬は、cGMPを分解するPDE-5の働きを防衛する役割があります。すぐに萎えるような勃起をED治療薬が維持できるのは、こういう理由になります。
EDの症状の種類
EDには大きく分けて「器質性ED」「心因性ED」また、その二つが組み合わさった「混合性ED」があります。身体の器官に問題があって起こるEDを「器質性ED」、ストレスなど精神的なものが原因で起こるEDを「心因性ED」といいます。
器質性EDとは
(引用:ED診療ガイドライン2012)
勃起の機能に関して、どこか身体そのものに異常がありEDになったものが器質性EDです。代表的なものとして以下が挙げられます。
- 「血管性」……糖尿病や動脈硬化によって血流が阻害される。
- 「神経性」……同じく糖尿病や脳腫瘍などによって神経伝達が阻害される。
- 「解剖性」……ペニス自体に勃起を妨げる問題がある。
- 「内分泌性」……男性ホルモン(テストステロン)の低下などが原因。
他に外傷や手術によって血管や神経に支障をきたしてしまうのも、器質性EDに含まれます。(参照:「ED診療ガイドライン」)
高血圧やメタボ体系の人は要注意!
高血圧症を患っている人の4分の1がEDであると言われています。また糖尿病でのED有病率は非糖尿病と比べると2~4倍高いと言われます。
心因性EDとは
勃起が起こるには「副交感神経」というリラックスの神経が優位である必要があります。ところが、ストレスやプレッシャーなどがあると緊張の神経である「交感神経」が優位になります。すると、勃起が妨げられるのです。
このように、身体には何の問題もないのに精神的な不安やストレス、プレッシャーなどの要因によって起こるEDが心因性EDです。代表的なものとして以下が挙げられます。
- 仕事のストレス……上司と部下の両ばさみで、不満を吐き出せる相手がいない。
- 不安……前に立たなかったから、今回も立たないかもしれない。
- プレッシャー……妻がタイミング法を学んできて「今日はがんばって」と行為を要求される。
- 妻だけ……申し訳ないが、妻を女性としてではなく肉親としてしか見れなくなってしまう。
他に、僕はAVを見ても興奮せず勃起しづらくなりました。これも心因性に含まれます。
混合性EDとは
心因性EDと器質性EDの特徴がミックスされたものが混合性EDです。混合性EDは20代、30代で発症するケースは少なく、40代以上の男性に起こることが多いです。偏った食事や運動不足、喫煙や過度の飲酒などからくる高血圧や脂質異常、糖尿病などの生活習慣病によって起こります。
目安は、勃起した時の角度だ。90度以上の角度があれば心因性EDの疑いがある。それ以下なら器質性EDが考えられる。
まとめ
ここまでEDの症状と勃起のメカニズムを見てきました。まとめますと
- EDの症状には器質性ED・心因性ED・混合性EDがある。
- 器質性EDの原因には、血管・神経・ホルモンなどが関係している。
- 心因性EDの原因には、ストレス・不安・プレッシャーなどが関係している。
- 40代男性のED患者には、器質性と心因性が混ざった混合性EDの場合が多い。
- 勃起時の角度が90度以下であれば勃起機能はかなり低下している。
- 勃起にはリラックスが必要。
となります。40代になると、いろいろな原因が絡み合ってEDの症状が出てきます。ビンビンの下半身を目指して、まずは生活習慣を見直すことから始めていきましょう!