「お酒を飲むと立たなくなる……」という不安や悩みはありませんか? でも、働き盛りの40代にとって仕事終わりに部下や同僚と飲みに行くことは大切なコミュニケーションですし、取引先とお酒を酌み交わすのも大事なお仕事です。
しかし、それが習慣となってしまい、毎日アルコールを飲むようになるとEDになる危険があります。といっても、少ない飲酒量であれば問題ありません。お酒は下半身にとって少量なら良い効果をもたらし、大量に飲みすぎると悪い効果をもたらします。
ここでは、EDの改善・予防のために過度の飲酒を避ける必要性をご紹介します。
(プハーッ)この一杯のために生きてるんですよねー!
確かに仕事終わりに飲むのは最高だ。でも40代になったら、アルコールとEDの関係性くらいは知っておかないとな。
僕はそんなに飲んでないつもりなんですけど、そういえば若いころに比べて下半身の元気が……。EDの原因ってお酒なんですか?
そう断言できるほど単純じゃない。これを見てくれ。
下半身におけるお酒のメリットとデメリット
お酒(エチルアルコール)を摂取すると酔いますが、このとき脳の中では「飲酒量に応じたマヒ」が起こっています。すると、脳の抑止力が低下して気が大きくなったり、気分が高揚したりします。「飲酒量に応じた」というのがポイントです。
お酒のメリット! 少量の飲酒なら良い理由
- 食欲の増進
- ストレスの解消
- 緊張の緩和
- 性欲が増大する
- 血行が良くなり、勃起能力が向上する
- リラックスすることで心因性EDの改善
お酒を飲むと楽しい気分になり、疲れやストレスが和らいできます。開放的な気分になって性欲も高まります。このように、少量のアルコールであれば問題はありません。
「少量のアルコール」って、どれくらいなの?
厚生労働省によると、「節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20グラム程度」とされています。20gとは、大体「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チュウハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」などに相当します。
(参照:厚生労働省「飲酒のガイドライン」)
よかった! これぐらいなら心配はいらないんですね!
お酒のデメリット! 大量の飲酒が悪い理由
勃起に必要な勃起中枢がマヒする
アルコールは神経をリラックスさせますが、同時に勃起中枢(脳から海綿体に至るまでの末梢神経の総称)のマヒも引き起こします。簡単に言うと、アルコールを大量に摂取すると大脳の活動が抑制されます。その結果、脳からの伝達が下半身まで到達しない=勃起が起こらない(場合がある)ということです。
※海綿体とは、ペニスの中にあるスポンジ状の勃起性組織のこと。勃起中には、海綿体のほとんどが血液で満たされます。
実際に僕も、お酒を飲みすぎて勃起しなかったことが過去にあります。相手の女性から「バカ」と言われました。自分に対して悔しい思いや、相手に対して申し訳ない気持ちがあり、それからは飲みすぎないように注意しています。
感度が鈍くなる
適度な飲酒であれば、自制心のリミッターが外れるので理性で抑えている性欲が高まりやすくなります。しかし、過度な飲酒は血中アルコール濃度が高まり、小脳までマヒが広がります。すると、運動失調(千鳥足)となり、下半身の感度が下がる、持続力が弱くなるなど「中折れ」の原因になります。
「大量のアルコール」ってどれくらいなの?
生ビールだと3杯、日本酒だと3合、ウイスキー・ダブル3杯までいくと、血中アルコール濃度が0.11~0.15%となり酩酊初期となります。これ以上は避けた方が無難です。
(参照:KIRIN「血中アルコール濃度と酔いの症状」)
もちろん個人差はあるが、飲みすぎには注意してくれ。特に毎日飲むのは要注意だ。
アルコール依存症とは?
アルコール依存症とは、長期的かつ慢性的にお酒がないとどうにもならなくなる状態です。アルコール依存症になると精巣(睾丸)が委縮すると言われています。すると、精巣で生産されている男性ホルモンが低下し、それがEDの原因になります。
アルコール依存症とEDの関係
・アルコール依存症になると肝臓に負担がかかり、肝機能が低下する
・その結果、体内の栄養バランスが乱れる
・それにより生殖器官の機能が低下する
・アルコールを分解する栄養素=勃起に必要な栄養素が足りなくなる
飲酒の回数とEDに関連がある調査結果は出ていませんが、毎日飲酒をしているアルコール依存症の場合は注意が必要です。毎日飲酒をしている人の60%がEDだという調査結果があるからです。(参照:「EDの原因はストレスだけではなかった!? 食生活・睡眠不足・喫煙過度な飲酒によってEDになるという結果に」)
毎日飲んでいるとアルコールに対する耐性ができるため、次第に摂取量が増えて肝機能が低下します。また、アルコールを飲みすぎると途中でのどが渇いて目覚めることになります。すると、レム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)のリズムが崩れて、睡眠の質が低下します。その結果、男性ホルモンの分泌が低下し、男性機能の減退につながります。
たとえ精力剤を飲んだとしても、その栄養素がアルコール分解のために消費され、精力剤の効果が得られない可能性もあります。休肝日はきちんと作るようにしましょう。
毎日飲む人の6割がEDなんですか……。うーん、ここまで言われたら、飲まない日を作らないワケにはいかないですね。
一週間に1日休肝日を作るだけでも、全然違うぞ。
【追加情報】ED治療薬とお酒の併用はダメ!
アルコールを慢性的に摂取して肝機能障害になると、バイアグラ・レビトラ・シアリスといったED治療薬が服用できなくなります。ED治療薬は肝臓で代謝されることで効果が発揮されるため、肝機能が低下すると、それに伴いED治療薬の効果が低下します。
まとめ
今回はアルコールとEDの関係性について見てきました。以上のように、適度な飲酒は良い効果がありますが、過度な飲酒はED発症のリスクが高まります。飲酒が原因で勃起しないことがトラウマとなり、その後「次も立たなかったらどうしよう……?」という心因性EDになる危険もあります。
また、ストレス発散や寝酒など、普段からアルコールに依存し続けていると、肝機能が低下して男性ホルモンの低下を引き起こします。いつまでもビンビンなライフを過ごすために、過度な飲酒は控えるようにしましょう!