EDに悩む男性は1130万人を超え、糖尿病を超える数の患者数がいると言われている「隠れた国民病」です。特に40代になると朝立ちが減ったり、性欲はあるのに興奮しても半勃ちだったり、途中で中折れしてしまうED(勃起不全)の症状が顕著に表れてきます。
僕も勃起力が低下して、「できることなら、20代の頃の反り立った力強い勃起を回復したい」と思って、EDの関連書籍を調べました。すると、EDを含めた様々な病気は薬を使うよりも、食生活をはじめとする生活習慣を改善した方が治りが良いと言われていることがわかりました。
その中でも、特に注目の栄養素が亜鉛です。亜鉛は、EDに悩む40代男性に効果的な栄養素で、別名「セックス・ミネラル」とも呼ばれています。今回は、亜鉛の効果についてご紹介します。
精力アップに亜鉛がいいって聞きましたけど、ホントなんですか?
亜鉛は40代になると不足しがちな栄養素で、男性ホルモンを高める作用がある。詳しく見ていこう。
Contents
なぜ40代男性は亜鉛が不足するの?
亜鉛は、必須ミネラル16種の1つで、40代以上で特に不足が目立つミネラルです。
その理由は、年齢とともに老化する十二指腸です。亜鉛は十二指腸でしか吸収されないので、加齢によって吸収が悪くなっていきます。また、一度亜鉛が不足すると、その不足が亜鉛の吸収に影響するため、さらに亜鉛の吸収が悪くなるという性質があります。(参照 https://www.youtube.com/watch?v=jBNg6xAMcj4)
また、加工食品の中には亜鉛の吸収を妨げるリン酸塩などの添加物が含まれているので、加工食品を多く摂取している食生活も亜鉛が不足しやすくなります。
ミネラルとは?
ミネラルとは、有機物に含まれる4元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外の必須元素で、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミンと並ぶ五大栄養素の1つです。ヒトにとっての必須ミネラルは全部で16種類あり、そのうちの一つが亜鉛です。
亜鉛のビンビン効果
亜鉛は、体液としては精液に多く含まれています。亜鉛を摂取することで、精子形成の増加や性欲増進の効果があります。亜鉛は、男性が精力あふれる活動を行うためのエネルギー源と言えます。亜鉛の主な生理作用は、次の2点です。
亜鉛の効果その1:タンパク質の維持、合成を促進
亜鉛は体内酵素の活性や、たんぱく質の維持・たんぱく質の代謝に関係しています。つまり、亜鉛を十分に摂取することで筋トレによって傷ついた筋組織の修復がスムーズに進んで筋肉がつきやすいということです。逆に、亜鉛が不足したまま筋トレすると筋組織の回復が遅れて成長が遅くなったり、疲れやすくなります。
たんぱく質
たんぱく質は、筋肉の元になる大事な栄養素です。40代男性の1日に必要なたんぱく質の摂取量の目安は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると60gです。別な指標としてよく言われているのが「体重×1g(体重60kgであれば60g)」、トレーニングで筋肉を増やす場合は「体重×2~3g」となります。亜鉛とともに、しっかり摂りたい栄養素です。
亜鉛の効果その2:男性ホルモンの濃度を高める
亜鉛は、男性の精巣(睾丸)に多く存在しています。亜鉛は、精子の生成や運動性の維持に大きく関わっていることと同時に、男性ホルモンの濃度を高める働きがあります。
男性ホルモンとは、一言でいえば「男らしさ」をつくる源です。男性ホルモンはさまざまな働きをしていますが、簡単に言うと分泌量が高ければ、やる気に満ち溢れます。決断力と行動力があり、何事もパワフルに活動するオスとしての魅力にあふれます。
反対に分泌量が減ると「勃起しない」「脂肪がつきやすくなる」「常に疲労感がある」「朝立ちがなくなる」という身体の変調や、「なんとなく気分が落ち込む」「やる気が出ない」「意味もなく不安になる」など心の変調が出ます。
さらに、男性ホルモンの低下は男性更年期障害(LOH症候群)と言われ、糖尿病や心筋梗塞、また脳梗塞などの生活習慣病、そしてEDの症状を招くといわれています。
亜鉛が不足するとEDになる
亜鉛の摂取はEDに効果があるといわれています。例えば、アメリカで行われた研究結果によれば、ED患者が1日当たり30mgの亜鉛を摂取した結果、4ヶ月から5ヶ月の時間を経て、男性ホルモンの量が正常に戻ったという結果が出ています。(引用:ED治療お薬情報ナビhttp://ed-medication.com/ed-zenpan/139.html)
亜鉛が不足するとEDになる
反対に、亜鉛が不足すると男性ホルモン値が下がって、勃起力が低下してEDになったというアメリカの実験データもあります。理想的な亜鉛の摂取量よりも1mg分少ない量で被験者に6ヶ月間過ごしてもらったところ、全員の男性ホルモンの量が低下したことが判明し、5人中4人がEDを発症しました。(引用:ED治療お薬情報ナビhttp://ed-medication.com/ed-zenpan/139.html)
亜鉛欠乏のサインと症状
爪に白いスポットができることを「Zinc Spot」と呼び、亜鉛欠乏のサインだとされています。(参照 https://www.youtube.com/watch?v=G8a21XBv9Es)
また、亜鉛が不足すると以下の症状があります。
亜鉛欠乏の症状
- 肌荒れ
- 傷口の直りが遅くなる
- 湿疹
- 食欲減退
- 爪がもろくなる
- 記憶力が低下する
- 気分のムラが起こりやすい
- 貧血
- 皮膚炎
- 口内炎
- 脱毛症
- 難治性の褥瘡(じょくそう、床ずれ)
- 性腺機能不全
- 免疫の低下
- 低体温
アルコールの飲みすぎに注意
亜鉛はアルコール分解酵素も作っているので、お酒を飲みすぎていると亜鉛が不足しやすくなります。飲みすぎには注意しましょう。
一日に摂取すべき亜鉛の摂取量
(引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」)
では、具体的にどれくらいの量が必要とされているのでしょうか。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、40代男性の亜鉛の1日の推奨量は10mgとなっています。上限量は45mgで、最低でも8mgは必要とされています。
なお、亜鉛不足は血液検査のアルブミン値によってわかります。アルブミン値が3.5未満だと、完全に亜鉛欠乏と言われています。
亜鉛を含んでいる食材
亜鉛を含む食品は牡蠣がダントツで多く、他に煮干し、ゴマ、牛レバー、ホタテ、玄米などに比較的多く含まれています。ただ、なかなか食材だけで必要な量を摂るのは大変です。必要であれば亜鉛のサプリメントで補うようにしましょう。
順位 | 食品名 | 成分量(100gあたりmg) |
1 | 魚介類/かき/くん製油漬缶詰 | 25.4 |
2 | 穀類/こむぎ/[その他]/小麦はいが | 15.9 |
3 | 魚介類/かき/養殖、水煮 | 14.5 |
4 | 魚介類/かき/養殖、生 | 13.2 |
5 | 魚介類/(かつお類)/加工品/塩辛 | 11.8 |
6 | 調味料及び香辛料類/パプリカ/粉 | 10.3 |
7 | 魚介類/ぼら/からすみ | 9.3 |
8 | 肉類/うし/[加工品]/ビーフジャーキー | 8.8 |
9 | 肉類/ぶた/[その他]/スモークレバー | 8.7 |
10 | 魚介類/(さば類)/まさば/さば節 | 8.4 |
(引用:文部科学省 食品成分データベース)
亜鉛の飲み合わせ(キレート作用)
(引用http://s-megumi.com/?tid=4&mode=f7)
亜鉛の摂取も大切ですが、吸収力も大事です。亜鉛は十二指腸でしか吸収しないと言われています。亜鉛が年齢と共に不足する原因は、十二指腸の老化にあります。
そこで、40代男性が亜鉛を効率よく吸収するために、飲み合わせを工夫すると効果的です。亜鉛と一緒に摂ることで吸収を促すものはタンパク質、ビタミンC、クエン酸などです。これをキレート作用と言い、ミネラルを包み込んで吸収しやすい形に変えることを言います。
動物性たんぱく質
肉や卵、ホエイ・プロテインなど、動物性たんぱく質と一緒に亜鉛を摂ると亜鉛の吸収が促進されます。したがって、牛レバーなど効率の良い亜鉛の摂取法となります。
クエン酸
クエン酸と一緒に摂ると、キレート作用によって亜鉛の吸収が促進されます。クエン酸を含む食品は黒酢、レモン、ライム、梅干し、キウイ、ミカン、グレープフルーツ、イチゴ、パイナップル、オレンジなどです。粉末状の食品添加物も有効ですが、その場合は必ず食品グレードを選んでください。
亜鉛の副作用
亜鉛を一度に多量に摂取すると、頭痛や嘔吐、神経障害、腎機能障害などの急性中毒を引き起こす可能性があります。ただし、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によれば40代男性の亜鉛の上限量は45mgです。普通にしていれば、超えることはまずありません。
おすすめの亜鉛の飲み方
僕のおすすめの飲み方は、まずホエイ・プロテインを飲んでから、、亜鉛の精力剤(サプリメント)と一緒に「黒糖・黒酢ショウガ茶」を飲む方法です。
タンパク質・クエン酸と一緒に亜鉛を摂ることができるので吸収率が良く、健康にも良い組み合わせです。朝これを飲むことで、筋トレをした後の立ち仕事でも、足が疲れることなく1日元気でいられます。
黒糖・黒酢ショウガ茶……黒糖と黒酢、ショウガのすりおろしを、紅茶または白湯(さゆ)で合わせた飲み物。身体がポカポカして精力回復に役立ちます!
黒糖・黒酢ショウガ茶の作り方
- 黒糖:小さじ2(お好みで)
- ショウガのすりおろし:小さじ1(お好みで)
- 黒酢:大さじ1
- 紅茶または白湯:200cc程度
以上を混ぜるだけ! 簡単です♪
まとめ
EDに悩む40代男性に効果的な栄養素が亜鉛です。亜鉛は必須ミネラル16種の1つで、主な生理作用としてタンパク質の維持・合成を促進して、男性ホルモンの濃度を高めます。
40代男性の亜鉛の1日の推奨量は10mgですが、十二指腸の加齢や加工食品の食べ過ぎによって不足しがちです。
亜鉛を多く含む食材は牡蠣ですが、なかなか食材だけで必要な量を摂るのは大変です。必要であれば亜鉛のサプリメントで補うようにしましょう。その際、亜鉛の飲み合わせは、タンパク質やクエン酸と一緒に摂る吸収率が上がるのでお勧めです。
EDの改善は、まず食生活を見直しすことが大切です。亜鉛をしっかり摂って、ビンビンな下半身を目指しましょう!