EDになると、まともにセックスができなくなって悩みます。男としての自信も失ってしまいますし、パートナーにも精神的な負担をかけてしまいますよね。僕も40代になって勃起力が弱まり、持続力がなくなりました。最初は、深く考えずにそのまま放置していたのですが、症状が悪化してきたので本格的な対策をはじめました。
残念ながら、ED(勃起不全)をそのまま放置していて突然治ることは、まずありません。なぜなら、EDが起こるには原因があり、その原因を解決しない限りEDは完治しないからです。
したがって、EDを治すためには勃起のメカニズムを知り、問題となっている部分を改善するための適切な対処をしていく必要があります。
最近、中折れして最後までできなくて悩んでいるんです。相手も心配して「私に魅力がないからなの?」って。そんなわけじゃないんですけど……。
決して相手のせいではない。40代になると複数の原因が絡んでEDが起こる。詳しく見ていこう。
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勃起は、こうして起こっている
そのそも、勃起はどのようにして起こっているのでしょうか? 以下の図をご覧ください。
このように、勃起は目や耳から入ってきた性的刺激をきっかけとして、脳にある視床下部から副交感神経(リラックスの神経)を介して陰茎の末梢神経に信号が伝わります。その段階でNO(一酸化窒素)が陰茎の中で放出されます。するとcGMP(サイクリックGMP)という物質が陰茎の中に増えてきます。すると、陰茎の筋肉が緩み陰茎海綿体(スポンジ状の勃起性組織)に血液が流入しペニスが硬く大きくなります。
もう一度、順番にまとめますと
- 「脳」……エッチな刺激を視床下部(食欲や性欲など本能を司る脳の一部)が受け取る
- 「神経」……副交感神経(リラックスの神経)が興奮し、情報が脊髄を通って陰茎海綿体に送られる
- 「血流」……NOが産生されcGMP(筋肉を緩める物質)が増えて陰茎の筋肉が緩み、そこに血液が流れ込む
この順番で勃起が起こります。つまり、EDとはこの一連の流れがスムーズに行えなくなっている状態を意味します。EDになる場合、この流れのどこかに問題があるのです。
EDを放置しているとどうなる?
EDの原因には、身体的なもの、精神的なもの、その二つが混合したもの、の3種類があります。身体的なもので代表的なのが「動脈硬化」です。勃起のメカニズムでいうと「血流」にあたります。
心筋梗塞・脳梗塞の危険
(参照:『男性ホルモンの力を引き出す秘訣』秋下 雅弘)
このように、動脈の太さは器官によって異なり、一番細いのが性器の動脈となります。例えば、性器の動脈が50%閉塞するとEDが発症しますが、その時点で脳近辺の動脈は20%閉塞しています。したがって、EDは心筋梗塞・脳梗塞の前兆である可能性があります。
順天堂大学泌尿器科・辻村晃医師によると、心筋梗塞の患者の67%がEDであったとする報告があり、逆にEDになってから3年で心筋梗塞になるケースもあるそうです。こうした事例から、EDを自覚したら血管の健康が衰えていると考え、放置するのではなく心筋梗塞・脳梗塞の疑いを持つことが必要です。
男性更年期障害の悪化
続いて、精神的なものについてです。これは、過去のトラウマや、ストレスによって「男性ホルモン」が減っていることが考えられます。男性ホルモンとは、一言でいうと「男らしさ」を作るホルモンです。
男性ホルモンは、さまざまな働きをしています。簡単に言うと、分泌量が高ければ、やる気に満ち溢れます。決断力と行動力があり、何事もパワフルに活動するオスとしての魅力にあふれます。
反対に分泌量が減ると「勃起しない」「脂肪がつきやすくなる」「常に疲労感がある」「朝立ちがなくなる」という身体の変調や、「なんとなく気分が落ち込む」「やる気が出ない」「意味もなく不安になる」など心の変調が出ます。
(引用:日本泌尿器科学会雑誌Vol. 95 (2004) No. 6 P 751-760より)
残念なことに、男性ホルモンは20代前半のピークから10年ごとに平均9.2%ずつ低下していきます。男性ホルモンの低下は男性更年期障害(LOH症候群)と言われ、糖尿病や心筋梗塞・脳梗塞などの生活習慣病、そしてEDの症状を招くといわれています。
このように、40代男性は生活習慣の悪化による動脈硬化、加齢、仕事や家庭のストレスやプレッシャーが重なることでEDが起こっているケースが考えられます。実際、EDの95%は身体的・精神的なものが組み合わさった混合型であると言われています。(参照:『EDになる理由』室田 英明)
EDを自力で治すのに治療薬は効果がある?
では、EDを自力で治すにはどうすればいいでしょうか? すぐに思いつくのがバイアグラ・レビトラ・シアリスなどのED治療薬です。たしかに、ED治療薬は勃起を起こして維持できる素晴らしい薬です。しかし、ED治療薬に頼り切っていて本当によいのでしょうか?
実は、ED治療薬は対症療法であり根本的な治療法ではありません。
ED治療薬の役割とは、実は勃起を起こしているのではなく、勃起を萎えさせる物質の働きを抑制することです。バイアグラは勃起を起こす薬だと思われていますが、実際はそうではなく勃起を維持するための薬なのです。その働きの代償として、ほてりや吐き気や頭痛などの副作用が起こる場合があります。それに、根本治療ではないため飲み続けているうちに、免疫力がついて薬が効かなくなってしまうケースもあります。
このようなことから、ED治療薬を使用することは「治療ではなく、あくまで一時的な対処」であることを知っておく必要があります。
EDを治すきっかけとして行うもの
このように、EDの原因を見てみいくと解決方法は、動脈硬化を防止することと、男性ホルモンを増やすことが必要であることが分かります。根本的な解決を計っていくために、以下を行うと良い結果を得られます。
運動する
「ためしてガッテン」というテレビ番組の実験で、1日30分の軽いランニング(ウォーキング・ジョギングといった有酸素運動)を3週間続けたところ、被験者の全員が動脈硬化の原因となる血栓を溶かす力が上がったことが分かりました。
有酸素運動とは、ジョギング、エアロビクス、サイクリング、ウォーキングなど負荷が軽く持続する運動のことです。筋トレなどは無酸素運動といって、筋肉に蓄積してある糖質を燃焼させる運動のことです。
(引用http://www.health-station.com/new56.html)
浜松医科大学の浦野哲盟教授は「運動によって血栓が溶けやすい体に変わった。運動を継続すると血栓を溶かすパワーも持続する。有酸素運動で、不要な血栓を早く溶かす健康な血液になれる」と言われています。また、体重を1kg減らすと血栓を溶かす力が2割上がるとのことです。(参照:ためしてガッテン「血液のチカラ向上作戦!脳梗塞・心筋梗塞で死なないために」)
僕も週に2回、スポーツ・ジムのランニングマシーンで30分ほど走って、汗をびっしょりかくようにしました。最初は走るのがつらかったのですが、走り方を勉強したお陰で楽に走れるようになってきました。
下の記事で、素晴らしく効率の良いランニングの方法をご紹介しています。ぜひ、確認してください。
▶もっと詳しく:ランニングがED対策になる理由を徹底的に解説!毛細血管が改善の鍵
禁煙する
もしタバコを吸っているなら禁煙をしましょう。日本泌尿器科学会の「ED診療ガイドライン」にて喫煙はEDの原因の一つであるとはっきり明示されています。
タバコに含まれるニコチンが血管の収縮と血圧の上昇をもたらすことで、男性器に流入する血液が少なくなります。また、勃起に必要なNO(一酸化窒素)が減少します。僕は20年以上の喫煙歴があったのですが、このことを知って、意を決して禁煙しました。
▶さらに詳しく:喫煙するとEDになる?メンソールのタバコは特に危険?
食生活を見直す
端的に言うと食べ物には「身体にいいもの」と「身体に悪いもの」があります。身体にいいものとは「自然なもの」「旬なもの」「無添加のもの」などです。身体に悪いものは「コンビニ食品」「冷凍食品」「レトルト食品」「添加物」「白砂糖」などです。
現代の食事は欧米型にシフトしていて、高脂質の食事になっています。しかも添加物が満載なので、血液がドロドロに汚れてしまいます。
血液がタールのようにドロッとしていては、ビンビンな勃起は望めません。勃起するには海綿体に血液がギュンギュン流れる必要があるのです。そのためには「人を良くする」食事をすることが欠かせません。
「何を食べればよいのか?」について、下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
▶さらに詳しく:EDを食事で改善!効果のある食べ物で中折れを予防!
EDが完治する期間の目安は3ヶ月~6ヶ月
生活習慣の改善によって、半年でEDが完治した事例があります。
スナック菓子や甘いものを食べることをやめて、健康で精力のつく食事に切り替え、夜はゆっくりくつろいで、運動不足を解消するために30分のウォーキングを行うなどを行うことを半年間続けた結果、体重が20kg減ってEDの症状が完治したのです。(参照:『男性機能を高める本 (精力減退は酵素不足が原因だった)』鶴見 隆史)
このように、ED治療は一朝一夕にはいきませんが、継続していくことで変化が表れてきます。人がだいたい変化を感じるのに必要な期間が3ヶ月といわれています。人間の細胞が生まれ変わるサイクルが3ヶ月と言われていることと関係しているのでしょう。
僕も3ヶ月ほどで変化が表れました。焦らずに、長期的な目で取り組んでいきましょう。(参照:『快医学』瓜生良介)
まとめ EDは突然、自然回復しない
以上のように、EDを放置していて突然治ることは、まずありません。自然回復を待っていては心筋梗塞・脳梗塞になる可能性があります。そのために生活習慣を改善していきましょう。
ただし、焦るのはよくありません。3ヶ月から半年を目安に、運動や食事の見直しを継続して行って行きましょう。欲張らないでコツコツと続けていれば回復していきます。ビンビンを目指して頑張っていきましょう!